プロジェクト研究成果が英国科学誌電子版「Nature Communications」に掲載されました

2021年4月15日

2016年度から実施されている本プロジェクトでは、メキシコ太平洋沿岸部の地震空白地域における巨大地震の発生メカニズム、また同地域で発生が予測される「ゆっくり地震(スロースリップ)」の解明に向けて、これまで「地震の観測」、データ解析による「地震・津波被害のモデリング」、シミュレーション結果を地域と住民の防災活動に活かす「社会実装」に取り組んできました。

京都大学防災研究所の伊藤喜宏准教授、西村卓也准教授をはじめとする日本とメキシコ、そして米国の研究者は、コロナ禍を受けて遠隔での共同研究を余儀なくされている中でも研究を粘り強く継続し、メキシコで発生した大地震とスロースリップの地殻変動及び地震計記録の解析結果から、2017年から2019年にかけてメキシコで発生した3つの大地震とスロースリップの連動との関連性を明らかにしました。この成果は、論文に纏められ、英国科学誌電子版「Nature Communications」(2021年4月12日公開)に掲載されました。

これまでの研究活動の努力が、非常に高いレベルの学術的価値として認められ、大きな実を結ぶこととなりました。

本プロジェクトは、残りのプロジェクト期間もメキシコの巨大地震空白地帯とスロースリップの謎の究明、地域住民への防災活動・防災教育への還元を目指し、研究活動を推進していきます。

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【画像】研究に用いたGNSS観測点(赤)と日本・メキシコの共同研究の一環で設置したGNSS観測点の写真