国際医療研究センター国際医療協力局鎌田局長来蒙 −モンゴル人ファシリテーターによる初のTOT研修にて日本の研修病院評価の制度について講義−

2017年7月10日

2017年7月3日〜5日、第7回指導医講習会(TOT研修)が実施されました。今回は、本プロジェクトで育成されたファシリテーターのみで実施された、初めての研修です。モデル県からの研修参加者も含め、22名の参加者が3つのグループに分かれ、効果的な研修医の指導や評価の方法について、ワークショップ形式で学びあいました(図1)。

研修最終日には、本プロジェクトの視察のため来蒙されていた、国立国際医療研究センター国際医療協力局鎌田光明局長より、「医師の臨床研修の評価」と題した講義がありました(図2)。社会理念に合う医師を育てる研修制度、理念を念頭においた評価の重要性、実際に日本で実施されている研修病院の必須評価の概要、また評価に基づいた制度改善の変遷など、日本の厚生労働省が取り組んできた医師の研修の評価について、貴重な話を聞くことができました。

参加者のTOT研修への評価は過去最高で、特に研修戦略や評価に関する内容が高く評価されていました。終了後のファシリテーターの振り返りでは、開始前は不安が強かったが、前向きな受講生に刺激を受け、最後には自信を持ってファシリテートできたことが感想として述べられました。それだけでなく、次回に向けた改善点も自分たちで挙げ、具体的な解決策を議論していました。

鎌田局長と、同じく国際医療協力局の橋本千代子課長は、そのほか保健省への表敬訪問(図4)、またモデル県のオルホン及びボルガン県を訪問し、両県保健局への表敬訪問、両県の基幹病院の視察を行われました(図5)。特に保健省や両保健局では、これまでの本プロジェクトの活動に感謝されるとともに、引き続きチームとして協力体制を強固にしていく意向をお聞きすることができました。本プロジェクトは、本年チーフアドバイザー及び調整員が交替し、プロジェクトの進行も後半に入っていきます。これまでプロジェクトで築いてきた関係をさらに強固なものとし、カウンターパートの期待に応えることができるよう、尽力していきます。

(モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト チーフアドバイザー 井上信明)

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図1.研修参加者による討議の様子

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図2.鎌田局長による講義

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図3.研修参加者全員による記念撮影

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図4.保健省オユンチメグ局長はじめプロジェクトWGのメンバーと

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図5.ボルガン県病院長(中央)の説明を受ける鎌田局長