TOTファシリテーター養成研修とモデル県でのTOT研修が実施されました!

2017年10月17日

2017年10月4日から6日にかけて、ウランバートルにてTOTファシリテーター養成研修が実施されました。TOTファシリテーター養成研修は、TOT研修のファシリテーターを養成する研修です。モンゴルで2回目となる本研修を指導するため、日本から3名の短期専門家(中島宏昭医師、清水貴子医師、高村昭輝医師)が来蒙し、22名のファシリテーターを養成しました。今回はモデル県から4名、ウランバートルの2次医療施設からも多くの参加者がいました。また第1回TOTファシリテーター養成研修で養成されたモンゴルのファシリテーターのBatgerel医師を含む3名も指導に関わりました。研修では、日本人専門家による医学教育に関する最近の知見の紹介、講義を実演する参加者に対する他の参加者によるフィードバックなど、充実した内容となりました(図1)。研修途中に停電のためスライドを映写できなくなりましたが、参加者たちは臨機応変に対応し、参加者同士の結束がより強くなりました(図2)。

また10月9日から11日には、オルホン県での第2回TOT研修を実施しました。今回は、モデル県ですでに養成されていたファシリテーター4名が研修を主導しました。研修前日に7時間以上かけて打ち合わせを行って準備をしたこともあり、ファシリテーターたちは余裕を持って研修を主導していました(図3)。研修前日に大雪が降り、周辺の道路が一時閉鎖されましたが、22名が参加することができました。今回は、TOT研修の質を維持するために、国立モンゴル医科大学に所属するファシリテーターのSolongo医師も参加し、グループ討議や発表の際、効果的に参加者にフィードバックしていました。その成果もあり、研修に対する受講者の満足度の平均値は、5点満点中4.9点でした(図4)。

モンゴル国保健省が規約作りを進めている臨床研修指定病院の指定基準には、TOT研修を受けた指導医の配置が盛り込まれています。今後モンゴルでは指導医の育成が急務になると予想されます。今回の研修後、中島医師よりモンゴル保健省やモンゴル医科大学の担当者に対し、TOT研修の全国展開に向けたアドバイスもいただきました。プロジェクトでは、カウンターパートの要望をしっかりと聞き取り、活動を進めていきたいと考えています。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト チーフアドバイザー 井上信明

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図1.TOTファシリテーター養成研修におけるグループディスカッション(後方にて立っているのがBatgerel医師)

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図2.研修修了式後:研修員たちの表情から、研修に満足したことが伺えます(最前列中央に保健開発センター人材開発部Naranbaatar部長、中央右に中島宏昭医師、その右にSolongo医師、中央左にBatgerel医師)

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図3.オルホン県のファシリテーター(Batbayar医師)による講義

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図4.オルホン県保健局でのTOT研修の参加者たちと講師たち