オルホン県地域診断治療センターでの総合診療研修プログラムが評価を受けました

2019年6月28日

6月27日、プロジェクトの技術支援により開発された研修病院の評価ツールを用い(プロジェクトニュース2019年4月20日参照)、プロジェクトのモデルサイトであるオルホン県地域診断治療センター(RDTC)において実施されている総合診療研修プログラムが、保健開発センター(CHD)の担当官により評価されました。

評価は研修の管理体制、研修環境(ハード面)、研修医をサポートする環境、指導体制やカリキュラムの実施状況、適切な研修医評価の実施状況など、合計で60を超える項目が対象となります。CHDの担当官は、これらの項目を根拠となる資料の確認、研修医や指導医へのインタビュー、施設の視察などを通じて評価していきます(図1)。

評価終了後、担当官からより良い研修プログラムとなるために取り組むべき事項が提案されます。従来は、明確な評価基準がなかったため、具体的な改善点を提示することが困難であったようですが、評価ツールができてからは、担当官も自信を持って具体的な改善点を提示しています。評価をした後は、共通のフォーマットを用いて報告書が作成されます。

オルホン県RDTCでは、研修管理委員会の活動や研修医評価の実績が非常に高く評価されました。これはプロジェクトでも力を入れて支援していた活動ですが、良い評価を得られたことは、オルホン県RDTCの指導医たちの努力が実った証左であり、非常に嬉しく思いました。一方、病院の年間計画のなかに研修に関する計画も盛り込むべきであるなど、改善点も提示していただきました(図2)。ただ総じて良い評価をいただき、オルホン県RDTCでの総合診療研修が研修医にとって最適な環境で提供できていることが確認できました。

プロジェクトの支援で開発された評価ツールが活用され、プロジェクトの活動により育成された担当官が評価を行い、プロジェクトのモデルプログラムがより良い研修を提供できるようになるために評価を受けたことになります。プロジェクトの活動が着実に成果を上げていることは喜ばしいことです。プロジェクトでは、より良い研修の提供を目指し、研修プログラムの改善に向けた活動が継続して行われるよう、引き続き技術的な支援をしたいと考えています。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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図1. 研修部へのヒアリングと資料の確認

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図2. 評価内容は、院長はじめ病院幹部にフィードバックされました