プロジェクトの次期フェーズに関する政府間技術協力プロジェクト合意文書(Record of Discussion:RD)が締結されました

2020年6月22日

2020年6月19日、JICAモンゴル事務所とモンゴル国保健省との間で、本プロジェクトの次期フェーズの実施に向け、基本合意文書に署名されました。これにより、本プロジェクト終了後、引き続いてモンゴルの医療人材育成に技術協力を行うことになりました。

現プロジェクトは2015年5月から開始され、主に地域で活躍する医師を育成するための研修制度の構築を目指し、保健省及び保健開発センターの研修管理に関する能力強化、研修に必要となる標準的カリキュラム開発や指導医の育成に取り組んできました。その結果、2018年10月からオルホン県地域診断治療センターやチンギルテイ地区病院において、モンゴルで初めてとなる卒後臨床研修(総合診療研修)を開始することができました。

モンゴル側関係者の尽力と多くの日本人専門家の協力があり、プロジェクトは開始当初の目標を概ね達成し、求められていた成果を挙げることができました。一方、看護人材の育成や総合診療研修の全国展開など、新たな課題も見つかりました。そこでモンゴル国保健省から、国が目指す医療人材の育成をさらに推進するため、引き続き日本への技術協力の要請がありました。

本来であれば日本から調査団が訪問し、次期案件の詳細を検討する機会を設ける予定にしていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、調査団が訪問できなくなってしまいました。そこで代替案としてJICA本部とモンゴル保健省をオンラインで結び、たびたび協議をしました。その頃東京では緊急事態宣言が出ていたこともあり、本部職員は在宅勤務をしながら協議に参加しました。こうして多くの方の協力を得て、無事RDを締結することができました。

次期フェーズでは、これまでの医師を中心にした活動に加えて看護人材の育成にも取り組む予定です。現プロジェクトの活動期間は残り6ヶ月ほどになりましたが、良い形で次のプロジェクトに引き継ぐことができるよう、気を緩めることなく活動を続けたいと思います。

モンゴル国一次及び二次レベル医療従事者のための卒後研修強化プロジェクト
チーフアドバイザー 井上信明

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JICAモンゴル事務所の所長と保健省事務次官による署名

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関係者一同でRD締結を記念して