日本モンゴル教育病院開院に向け、シミュレーション(模擬病院運営)計画策定のため第七回本邦研修を実施しました。

2018年9月4日

2018年7月22日、数珠を繰るような蝉の声が鳴り響く中、本プロジェクトが支援しているモンゴル国立医科大学より研修員9名が、徳島大学病院を訪れました。

七回目を数える本研修は、日本モンゴル教育病院(日モ病院)の間近に迫ってきた開院に向け、開院直後から運営業務を円滑に進めるためのシミュレーション(模擬病院運営)について理解を深めるとともに、その手法を取得し、これまでの本邦研修の集大成としてシミュレーション計画を作ることを目的としています。シミュレーションとは、日モ病院の各部署がどのような業務を行うか、患者が来院してきた際、受付から診察、検査、会計、調剤、手術や入院、退院がどのように行われるかを想定し、模擬患者を実際に立てて何度も練習を行い、開院に備えることです。

研修初日は、これまで研修員にはあまり馴染みのなかったシミュレーションに対して、より具体的なイメージが持てるよう、日本人専門家による日本の実例を基にした病院運営やシミュレーションの講義が行われました。その後、研修員は病院運営・物流管理・看護管理・救急医療の4チームに分かれて研修を行いました。研修は、研修した内容がシミュレーション計画にスムーズに反映できるよう、講師と常に意見交換ができる環境で行われました。

研修員は、開院が目前に迫ってきていることもあり、これまで以上に熱心に研修に励みました。担当講師に対して積極的に質問を行うだけでなく、研修員の間でも、研修時間の合間をみては意見交換のための時間を自ら設け、研修時間終了後もその日の学びについて情報・意見交換を行いました。また、物流センターや患者支援センター等、日モ病院でも重要となる部署に関しては、改めて見学の機会を徳島大学病院側に希望し、早朝からのスケジュールにも関わらず積極的に見学を実施しました。

研修の最後には、徳島大学病院関係者に向けて、各チームより策定したシミュレーション計画に係る発表がありました。発表では、建設中の日モ病院の完成後から、各診療科の診療開始スケジュール、及びそのために行うシミュレーションの内容について、具体的な説明がありました。発表を通じ、開院のための業務を他の関係者とも連携しながら計画的に進めていくという研修員の強い意気込みが感じられました。

最終日には、台風が日本列島を直撃し、帰国便が遅延するというハプニングもありましたが、帰国後、研修員たちは早速、研修で学んだことを活かし、開院に向けた準備を進めております。

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研修最終日の発表の様子

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病院図面を用いたシミュレーション計画の協議