2021年度パイロット事業の実施

2021年12月14日

2021年秋に本プロジェクト成果3の活動として、パイロット事業を実施しました。

パイロット事業は、モンゴルの道路舗装に一般的に発生する横断ひび割れ及びわだち掘れ対策を考慮したアスファルト舗装施工です。パイロット事業の実施により、成果1で策定された「モンゴルの気候条件に適したアスファルト舗装設計規格」及び成果2で実施された材料試験や配合設計の結果を、実際の現場で検証し、検証結果を規格に反映することで、モンゴルにおける道路舗装技術能力の向上を目指すものです。

成果3に係るワーキンググループ会議において、道路運輸開発センターが管理する地方道路及びウランバートル市道路開発局が管理する市内道路をパイロット事業の対象とすることが決定されました。その後、予算確保や実施計画の策定、現場の選定等についてワーキンググループ会議で議論し、準備を進めてきました。2021年度に両機関のパイロット事業候補地 計4カ所での実施を想定していましたが、2021年夏に発生したウランバートル豪雨や新型コロナウイルス感染症等の影響により、同市内道路(2カ所)でのパイロット事業は2022年度の実施に延期されました。

2021年度におけるパイロット事業(横断ひび割れ及びわだち掘れ対策の2つの現場)の実施箇所は、道路運輸開発センターが管理するウランバートル市内から南東へ約102キロメートル離れたナライハ~チョイル道路に位置しており、施工業者はナライハ道路維持管理公社です。現場の事前調査や配合設計等を経て、2021年9月4日に施工前事前調査を開始し、2021年9月26日に舗装工事を完了しました。

本施工にあたり、現場がプラントから離れているため、アスファルト合材運搬時の温度の低下が懸念されていました。そこで、プラント出荷時及び混合物の現場到着時、敷き均し時、初期及び二次転圧終了時に温度を計測した結果、所定の温度範囲内にあることが確認できたので、予定通り施工を実施しました。

舗装工事の完了後、舗装部分の長さや厚さ等の出来形管理、路面の平坦性や均一性、さらに品質管理試験を行い、基準値を満足しているかを確認しました。品質管理試験のひとつとして、各工区からコアを採取し、室内にて密度試験を行いました。今後、施工箇所のモニタリングを舗装完了後(初期値調査)、2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、半年後、1年後にひび割れやわだち掘れの有無、平坦性等についてモニタリングを継続実施する予定です。

【画像】

既存舗装の状態(横断ひび割れ)

【画像】

工事前事前調査の様子

【画像】

工事区間の交通規制(通行止め)

【画像】

表層剥がしの状況

【画像】

プラント出荷時の合材温度測定の様子

【画像】

温度低下防止用シートを掛けたのは効果がありました。

【画像】

敷き均しの様子

【画像】

敷き均し後の温度計測

【画像】

転圧の様子

【画像】

導入目地入れの様子

【画像】

工事完了後の状況

【画像】

工事後の初期値調査の様子