コロナ禍での学びの遅れを取り戻すためにミニ・プロジェクトを実施いたします

2021年12月16日

新型コロナウイルス感染拡大を防止するため、モンゴルでは2020年1月末から学校を閉鎖、それ以降、2022年9月の新学年度開始まで、対面授業はほとんど実施されてきませんでした。その間、テレビ授業、オンライン授業等による遠隔教育は実施されていましたが、児童生徒の学習には遅れが生じ、深刻な問題となっています。
とりわけ障害のある子どもたちは個のニーズに応じた教育を享受することが難しく、学ぶ権利を十分に行使できない状況にありました。このような背景を受け、本プロジェクトでは、障害のある子どもたちの学習支援のために、以下7つのミニ・プロジェクトを実施することとなりました。

No. カテゴリー 概要 実施機関
1 視覚障害児対象 視覚障害児が自分の居住する地域において、保有感覚や補助具の活用、点字指導、歩行指導、日常生活動作、情報処理等の基礎を身につけられるようにするための教員・保護者向けマニュアル及び教材セットの制作を行う。 平等な権利 平等な機会NGO
2 聴覚障害児対象 聴覚障害児の保護者や指導にあたる幼稚園教員、学校教員が手話の基礎を身につけることができるオンライン研修の開発と提供を行う。 聴覚障害教育
3 肢体不自由児対象 肢体不自由児が在宅で適切な支援を受け、教育活動に参加できるようにするための保護者向けマニュアル及び動画の制作を行う。 障害児のリハビリテーション発達センター
4 知的障害児対象 知的障害児が遠隔授業や学校再開後の補習において、各自にあった学習を進めることができる数と計算アプリの制作を行う。 第73学校
5 未就学児に対する訪問教育 STARTプロジェクトフェーズ1で導入及びモンゴル版の開発に取り組んだポーテージ早期教育プログラムを活用し、障害のある未就学児に訪問教育サービスを提供しながら、新型コロナウイルス感染症拡大終息後に、幼稚園への就園につなげるパイロット事業を実施する。 モンゴル・ポーテージ協会
6 学齢期の子どもに対する訪問教育 重度重複障害児が在宅で適切な支援を受けられるよう訪問教育を提供しながら、新型コロナウイルス感染症拡大終息後に、地域の学校への就学につなげるパイロット事業を実施する。 ハンウール区生涯学習センター
7 補助教員 対面授業再開後、通常学級において支援を必要とする児童に支援を行う補助教員のパイロット事業を実施する。 視覚障害対象:第141学校
聴覚障害:手話通訳者協会
その他:人材開発調査研修センター

出所:プロジェクトチーム作成

2021年8月2日に公募を開始、教育科学省とともに申請機関からの提案を審査し、9機関の提案を採択いたしました。各機関は2022年6月まで活動を実施する予定です。各ミニ・プロジェクトではマニュアルや教材セット等を作成し、プロジェクト終了後もモンゴルにおける障害のある子どもたちの学びの遅れを取り戻すために活用していく予定です。