インクルーシブ教育担当官ってどんな人?

2022年2月22日

みなさんは、インクルーシブ教育担当官(IE担当官)という仕事をご存知でしょうか。2019年より、各県・区の教育局・課に配置された新しい職務で、それぞれの担当地域でのインクルーシブ教育の推進を担う教育行政官です。予算の関係上、すでに配置されている初等教育担当者やフォーマル・ノンフォーマル教育担当者などがIE担当官も兼務しています。

プロジェクトでは、IE担当官とともに幼稚園や学校でのインクルーシブ教育の普及活動を進めています。今日は、IE担当官の業務を覗いてみましょう。

バヤンゴル区のIE担当官として活動するツォグゾルマーさんは、2021年7月に着任したばかり。フォーマル・ノンフォーマル教育とインクルーシブ教育を兼務しています。バヤンゴル区は、STARTの前フェーズのパイロット区でもあり、区全体で障害のある子どもへの支援やインクルーシブ教育の促進に取り組んでいます。

2021年11月のある日のこと。この日は朝からプロジェクトのスタッフがバヤンゴル区教育課を訪ねてきました。2022年6月までのインクルーシブ教育普及計画について、教育課長も交えて協議をします。区内の学校の校内委員会メンバーを対象としたオンライン研修の実施や、個別教育計画の実施度合いの調査など、14項目の活動計画が出来上がりました。

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その後、プロジェクトメンバーとともに、第164幼稚園を視察します。この幼稚園では、障害のある子どもが通いやすくなるように、トイレの改修やスロープの設置、段差の解消などを予定しており、幼稚園との調整もツォグゾルマーさんが担当しています。

その日の午後、社会開発課の担当者とともに、ワールドビジョンの支援を受けて実施しているプロジェクトのオンライン会議に参加。その後、幼稚園と学校に依頼して定期的に実施している、障害児の調査のフォーマットを修正し、Facebookグループを通じて各幼稚園・学校に共有しました。

夕方には、区で実施している英語教員向けの研修プログラムの修了式の準備を行います。これらの業務の合間にも、書類の準備や幼稚園・学校からの電話対応などで毎日忙しい日々を送っています。

IE担当官は幼稚園や学校のインクルーシブ教育推進のための取り組みを支援し、モニタリングしていくことになっています。まだ新しい職務ではありますが、効率的、効果的に活動ができるよう、プロジェクトも一緒に協力していきます。