障害児の保健・教育・社会保障支部委員会を対象にハイブリッド方式で研修を実施しました

2022年4月27日

2022年4月27日に、「障害児の保健・教育・社会保障支部委員会(以下、支部委員会)」を対象とした3回目の研修を実施しました。ウランバートルの9区と4県の支部委員会は対面で、他の17県の支部委員会はオンラインで参加しました。研修の目的は、9月の新学期を前に、支部委員会として障害のある子どもや就学に困難を抱えている子どもを支援できるようになることでした。

当日は、労働・社会保障省S. Tungalagtamir局長がファシリテータを務めました。最初に、プロジェクトの専門家が、2021年11月に実施した研修の振り返りと今回の研修を前に参加者に課した事前課題に対してコメントをしました。その後、会場参加のバガハンガイ区とオンライン参加のヘンティー県の支部委員会が、発達支援計画の作成とその実施について実践例を他の参加者に共有しました。

次に、人工呼吸器をつけて生活をしている日本の青年とお母様とオンラインでつなぎ、「重度の障害があっても可能性はたくさんある!」と題した講義をしていただきました。途中、この青年の記録映画が流れると、会場参加者は食い入るように画面を見入り、講義の間も時々、大きくうなずいたり、涙ぐんだりしながら話を聞いていました。質疑応答・意見交換の時間には、支給される手当や制度などに関する質問のほか、「自分の県には幼稚園1園、学校1校に特別学級が1学級ずつ設置されている。手厚い支援が受けられることから、特別学級への就学を希望する家族も少なくないが、本日の講義を聞いて、一番に考えるべきは『おむつの支給』といった物理的支援の充実度合いではなく、子どもの発達だと気づいた。県内で『介護タクシー』制度を導入し、重度の障害のある子どもの就学を支援することも検討したい」といった意見も出されました。

その後、2021年12月に改訂された「障害児のための包括的な発達支援の手順書」に基づき、プロジェクトの専門家が「就学支援会議」について説明し、2022年4月12日に実際に会議を開催したバガハンガイ区にその経験を紹介いただいて午前の部は終了し、オンライン参加者はここで解散としました。

午後は会場参加者が区県ごとに分かれて、自分たちの区県の就学にかかる課題を「保護者・家庭」、「学校へのアクセス」、「校内の環境」、「教員の指導法」、「子ども同士の人間関係」の5つのカテゴリーに分類し、想定しうる支援内容、連携可能な機関をリストアップするグループワークを実施しました。

最後に労働・社会保障省「障害児のための教育・保健・社会保障委員会」が、プロジェクトとともに開発中のポータルサイトについて紹介しました。

本研修の学びをもとに事例検討会議を開催すること、今回の事前課題として提出された発達支援計画の実施状況を報告することを、各委員会にお願いいたしました。モンゴルでは9月の入学に向けての準備が5月頃から始まります。本研修を受けて支部委員会委員がよりいっそう障害のある子どもの就学支援に取り組むことを期待します。

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会場参加者向けとオンライン配信の様子

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労働・社会保障省によるグループワークの様子1)

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労働・社会保障省によるグループワークの様子2)