食事状況調査を実施しました!

2023年5月29日

1日に取るべきエネルギーや栄養素の量(食事摂取基準)、そのうち学校給食で摂取すべき量(学校給食摂取基準)はモンゴルでも定められていますが、必ずしも実際の国民の栄養状態を考慮したものとはなっておらず、その見直しが検討されています。プロジェクトでは、望ましい学校給食の献立を検討する上で、まず学校給食摂取基準を見直すべく、2022年9月~10月に第1回目、2023年1月~2月に第2回目の食事状況調査を行いました。

食事状況調査は、ドンドゴビ県、ウブルハンガイ県、ウランバートル市の6つのパイロット校の小学2年生と4年生合計約240名を対象に、対象児童の前日の食事内容の聞き取り、血液検査、骨密度測定、対象児童と保護者への食生活調査アンケートにより行いました。

その結果、カルシウム、食物繊維、ビタミン類がモンゴルの食事摂取基準と比較して少ないことが分かりました。また、血中の鉄、亜鉛欠乏は20%、ビタミンD欠乏は80%と高いことが分かり、骨粗鬆症と判定された児童が第1回調査では58.7%、2回目調査では68.5%(全地域の平均)もいることが分かりました。

この結果を受け、プロジェクトでは、より多くの牛乳、乳製品及び野菜を学校給食の献立に入れ込んでいきたいと考えています。ただ、現在の給食費では、牛乳や乳製品を増やすことが難しいため、まずは野菜の種類や量の増加に努め、牛乳・乳製品の増加にはモンゴル国教育省、教育総合庁やモンゴル牛乳・乳製品協会、他ドナーからの協力を得る方針です。

パイロット校の中には、食事状況調査の結果を受けてさっそく保護者への調査結果共有や取るべき食材についての説明会を行い、保護者がお金を出し合って学校給食に牛乳を出そうという動きも出てきています。調査結果を今後の学校給食摂取基準の改善提案や献立作成に反映し、児童の栄養状態の改善につながるよう、今後の活動を進めていきます。

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前日の食事内容の聞き取り調査(ウブルハンガイ県)

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血液検査(ドンドゴビ県)

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身長の計測(ウランバートル市)