ミャンマー中央銀行(CBM)による金融機関との情報交換ネットワーク「Financial Institutions Data Exchange System(CBM-FIDES)」説明会の実施

2019年9月26日

国際協力機構(JICA)によるミャンマー中央銀行向け「資金・証券決済システム近代化プロジェクト」(以下、JICAプロジェクト)は、2019年9月26日、ミャンマー中央銀行と金融機関との情報交換ネットワーク(CBM-FIDES)および銀行間取引市場に関する説明会を市中金融機関44行に対して実施しました。

CBM-FIDESは、ミャンマー中央銀行と市中金融機関(銀行・証券会社・決済業者)とを繋ぐ情報交換ネットワークで、市中金融機関から中央銀行への金融報告書類の提出や、中央銀行から市中金融機関への連絡・通達をオンラインで行うためのシステムです。JICAプロジェクトの支援により、2018年12月に稼働開始しました。

以前は中央銀行と金融機関の間のコミュニケーションはメールやファックスでの情報交換に頼っていたため、金融市場動向を中央銀行が迅速に把握するのが困難でしたが、CBM-FIDESの導入により、中央銀行と金融機関とのコミュニケーション能力が飛躍的に向上し、金融政策への対応が迅速に行える体制が出来ました。

今回の説明会にはCBM-FIDES開発者である川畑博司専門家の他、国際通貨基金(IMF)アドバイザーの岩崎淳氏の参加を得て、試験運用中であった銀行間取引報告データベースのアップデートおよび報告ガイドラインの改定について銀行と情報交換を行いました。IMF岩崎氏にはCBM-FIDES開発初期の銀行ヒアリングの段階から関与していただき、報告内容の決定、システム要件定義、ガイドライン・通達策定、CBM内分析・統計資料作成等といった一連の作業を両者が協働して進めてきました。この他、無償資金協力「金融市場インフラ整備計画」で整備予定の中央銀行決済システム(CBM-NET2)でも、国債振替決済の仕組みについてIMF岩崎氏から助言を得ています。

このように、JICAのミャンマー中央銀行支援では、多岐にわたる課題に対して効果的な支援を行うべく、IMF他国際機関とも協調しながら活動を進めています。

【画像】CBM-FIDES説明会の模様