ミャンマー中央銀行向け「金融政策」研修の実施

2019年11月25日

国際協力機構(JICA)によるミャンマー中央銀行(以下、ミャンマー中銀)向け「資金・証券決済システム近代化プロジェクト」金融政策人材育成の一環として、本年度も8月の「金融市場・金融システムに関する研修」に続いて、11月に「金融政策に関する研修」を実施しました。具体的には、中央銀行の金融政策運営に関連する基礎的な知識を習得し、その知識を活かしミャンマー経済・金融の課題について考察・議論するというものです。研修は、若手・中堅職員対象の基礎研修と幹部・管理職層対象のアドバンスト・ワークショップで構成されています。

基礎研修では、一橋大学の下田知行(SHIMODA Tomoyuki)教授が理論だけでなく事例を織り交ぜた実践的な講義を行うと共に、理解の定着を図るための小テストや、ミャンマー中銀幹部(ローカルトレーナー)が同国の金融政策を自ら解説する講義などを通じて、金融政策に関して立体的な知識が身につけられることを目指しました。

【画像】基礎研修の講義

また、講義だけでなく、ケーススタディを用いたグループ討議も実施しました。参加者であるミャンマー中銀若手・中堅職員がグループに分かれ、講義で学んだ内容を生かしながら、実際の金融政策運営のケースについて発表を行うとともに、参加者間および講師陣(下田教授、ローカルトレーナーであるミャンマー中銀幹部職員)との間で質疑およびグループ討議を行いました。質疑応答およびグループ討議には、下田教授に加えJICAから乾泰司(INUI Taiji)チーフアドバイザー、川畑博司(KAWABATA Hiroshi)専門家も参加しました。

【画像】基礎研修後の集合写真

アドバンスト・ワークショップでは、U Soe Min副総裁をはじめミャンマー中銀幹部が参加し、「金利自由化」をテーマに、その実現に向けた具体的な提言案(「下田プラン」)について、その実現性や方策等を熱心に議論しました。同ワークショップには、一橋大学下田教授のほか、JICAから前述の乾チーフアドバイザー、川畑専門家に加え向井直人(MUKAI Naoto)専門家が参加しました。

【画像】アドバンスト・ワークショップの模様

【画像】アドバンスト・ワークショップの模様