2020年5月1日
道路のデザインにおける線形は、「横断線形」および「縦断線形」に分類されます。第6回の講義では、縦断線形について解説しました。
道路線形の構成要素
縦断線形は、道路の勾配を意味し、スロープや凹凸が含まれます。天然地形に左右される部分が大きく、短い区間で凹凸を繰り返したり、平面曲線(カーブ)と重なるような線形は、事故を誘発します。一方で、道路の切り・盛りなどを行って線形を改良するにはコストがかかるので、地形に寄り添いつつ、安全かつ円滑な交通流を確保するために設計されなければいけません。
傾斜は極めて重要な要素で、大きすぎる傾斜は重大な事故を招きます。日本の法令では、車種によって以下のようなガイドラインが定められています。
乗用車:4%~5%程度の目安で傾斜を設定する。
貨物車:速度が傾斜角度に対して低すぎると後退のリスクがあるので、確保できる走行
縦断曲線のうち、上向きのものを凸型縦断曲線(Crest Curve)、下向きのものを凹型縦断曲線(Sag Curve)と呼称します。
カーブにおける安全かつ快適な交通流を確保するうえでも、計算のうえ適切な設計が求められます。詳細は、参考資料をご参照のください。
凸型縦断曲線(Crest Curve)
凹型縦断曲線(Sag Curve)