コミュニティ調停への理解を深めるためのドラマ・ドキュメンタリーフィルムの制作

2016年9月30日

2016年9月

コミュニティ調停サービスの全国的な普及を促進するため、コミュニティ調停を題材に取り上げたドラマとドキュメンタリーフィルムの制作に着手し、この程完成しました。

コミュニティ調停は多くの住民や行政関係者にとって新たな行政サービスとなるため、制度への理解を深める工夫が必要です。このため、プロジェクトでは様々な広報・啓発手段を用いてきました。先行案件である「コミュニティ内における調停能力強化プロジェクト(COMCAP)」(2010年1月〜2014年9月)では、ラジオ番組の制作・放送、新年時のカレンダーや収穫祭(ダサイン)時の挨拶状の配布、コミュニティ調停を題材とした路上演劇の実演等、ネパールの農村地域の環境・慣習も考慮に入れた広報手段が採用されました。これら既存の広報手段に加えて、ドラマやドキュメンタリーフィルムはコミュニティ調停の全国への普及・浸透をより効果的かつ効率的に行うことを目的として企画されました。

ドラマでは、土地や相続問題等のコミュニティ調停に寄せられる典型的な事案を参考にした脚本を再現し、それぞれ約23分間のストーリーを制作しました。コミュニティ調停の実際の手続きやプロセスを、劇団俳優による迫真の演技で再現し、コミュニティ調停になじみのない一般市民にも楽しみながら理解できる工夫をしています。

また、ドキュメンタリーはカウンターパート機関である連邦・地方開発省(MoFALD)行政官でプロジェクトマネージャーのバストラ課長や、先行案件で支援対象となったシンズリ・マホタリ両郡のコミュニティ調停関係者らのインタビュー録画を交えて、コミュニティ調停の目的や効果等についてわかりやすく説明する約25分の構成になっています。

プロジェクトでは今後、これらの映像資料を研修やセミナー等の場で活用してコミュニティ調停に関する関係者の理解を深めるとともに、コミュニティ調停を一般市民に広める広報手段として活用していく予定です。