地理情報システム(GIS)の指導

2017年1月31日

プロジェクトではネパール中央統計局の調査区地図作成を目的とした地理情報システム(Geographic Information System:GIS)の利用技術向上のため、日本人専門家を派遣しました。また、あわせてGISソフトウェア、都市部の衛星画像やコンピューターの供与をしました。

GISは、デジタルマップ上で位置情報の可視化、検索、編集、管理、分析を可能とする情報処理ツールです。GISでは、地図上の各エリア(例:調査区)とそれぞれのエリアに紐づけられた属性情報(例:世帯数、年齢階級別人口、事業所数等)を一緒に管理するため、エリアごとの各種情報を容易に地図上に可視化することができます(例:統計地図)。GISを活用して調査区データ(境域データ、地域コード、地名等)の作成を行うことにより、調査実施時は調査員が使用する調査区地図を効率的に作成・出力することができ、調査後は調査結果から統計地図を効率的に作成することが可能となります。また、GISを利用しデジタルマップ上に統計調査結果や様々な情報(例:標高、都市計画区域、土地利用区分など)を重ね合わせることで多角的な地域分析を行うこともできるようになります。

本プロジェクト開始前の中央統計局でもGISは、センサスでの調査区設定や、センサス実施後の結果利用の一環として使われていましたが、作成されたデータは印刷して利用されていました。本プロジェクトでは従来の使い方に加えて、調査前の調査区地図データベースの基幹ソフトとして利用しています。

本プロジェクトでは、経済センサスの実施に向け、C/PがGISを活用して調査区データベース(調査区地図の作成に必要な行政区及び調査区データのセット)及び調査区地図の作成を行えるようGISの利用能力の向上を支援しました。

GIS技術を使って調査区地図が作成されることが期待されます。

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作業の進捗を日本人専門家(中央)らに説明するGIS担当官(左)