チャンドロータで地殻変動観測装置の電池交換作業を行いました

2019年3月18日

ネパールの季節も春になり、日中の気温が28度近くになった3月17日、18日に、グループ1aの地殻変動観測装置の電池交換作業を行いました。地殻変動観測装置とは、プレートの衝突や沈み込み、断層活動,あるいは地下のマグマの活動などによって生じる地表面のわずかな変形を、3次元的にミリメートル単位の高精度で検出するための装置です。

このプロジェクトは活動によって1a、1b、2、3、4、5の6つのグループがあり、グループ1aは「地震ポテンシャルの評価と震源モデルの構築」を担当しています。具体的には、16世紀初頭以降、大地震が発生していないとされているネパール中西部の地震空白域の10か所に地殻変動観測装置を設置して、連続観測を行っており、それに加えて、既にネパール国内に設置してある地殻変動観測点からデータを収集し、解析を進めています。これらの解析結果から現在の地殻変動の進行と将来の地震活動との関連を評価しようとしています。
2月に日本から地殻変動観測の専門家が来ネパールして観測機材の保守を行なった際に、夜間の観測に電源を供給するための電池が消耗していることが分かり、カトマンズからハイウェイをひたすら走り、9時間ほど掛けてチャンドロータという町に到着しました。

地殻変動観測装置の置かれた場所は、カトマンズから西に320キロメートルほど離れたチャンドロータという町の、とある学校の校舎の屋上でした。チャンドロータはインドと国境を接する二番目に大きな町と言われており、インドのナンバープレートを付けた車をよく見かけました。ギラギラと照りつける太陽のもと電池交換をし、地殻変動データ転送のための作業を黙々と行うカウンターパート。

屋上から校庭で遊ぶ楽しそうな子ども達の姿を見て、のどかな風景の中、ここに住む人たちの暮らしに思いを馳せました。こうした日々の活動の一つ一つが積み重なって、このプロジェクトの成果に繋がり、いつかここに住む人たち、またこの国に住む人たちに、地震に対する正しい理解と地震災害を軽減するための適切な対策という形で、思いを届けられるといいなとしみじみ感じました。

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黙々と作業をするカウンターパート

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学校の校舎から見た町の風景。とてものどかで緑が豊か