家庭・地域保健チームの基本的13活動のモニタリングと研修開始

2022年10月27日

プライマリ・ヘルス・ケアに基づく、ニカラグアの国家保健政策「家庭・地域保健モデル」では、保健省が最小の保健行政区として設定した保健セクターごとに、医師・看護師と住民のコミュニティ・ネットワークのメンバーから成る“家庭・地域保健チーム”が配置されています。彼らは傷病の予防と発生時の早期対応、安全な妊娠継続や出産等のための体制づくりと活動を進めていくことになっています。プロジェクトでは、家庭・保健チームが行うべき13項目の基本的な活動の進捗状況について、各市の保健管区支所による、毎月のモニタリングの実施を指導・支援しています。この13項目の基本的な活動は、住民グループと保健医療従事者の関係づくりから、協働で行う集落マップや家庭調査票の作成と更新作業のほか、保健医療従事者による妊産婦管理台帳と向こう4週間の出産計画による妊産婦監理に加え、住民主体で進めるコミュニティの健康に関わる問題分析と改善に向けた保健活動などで構成されています。これら13項目の基本的な活動の進捗状況は赤・黄色・緑の3色で評価表に表示され、視覚的に把握できるようになっています。この活動に本格的に取り組み始めたばかりのマサヤ保健管区とカラソ保健管区では、多くの家庭・地域保健チームで、活動があまり進んでいないことを示す赤色で表示された項目が目立ちます。

モニタリングでは、医師・看護師と住民グループとの会合の証拠となる議事録が適切に作成されていない場合、それは有効な活動として認められません。また、集落マップの作成では、地図に書き込むべき事柄が決められており、不足があると十分な活動とは評価されません。これら家庭・地域保健チームの13項目の基本的な活動については、「チョンタレス保健管区およびセラヤ・セントラル保健管区における母と子どもの健康プロジェクト」で作成され、本プロジェクトで改訂したガイドブックに、必要物品や手順等の詳細な説明がされています。各家庭・地域保健チームには、ガイドブックのデジタル版が配布されていますが、その内容を十分に理解していないメンバーが少なからずいることから、マサヤ保健管区とカラソ保健管区および各市の保健管区支所は、まず内部の職員グループで勉強会を重ねた上で、保健セクターの医師・看護師に対する研修を実施しています。その曜日は各施設によって様々ですが、多くの場合、比較的外来患者の少ない水曜日か木曜日の午後、もしくは土曜日の午前中の、約3時間を保健省が定めている「継続教育の時間(有給)」として、これにあてています。

【画像】

家庭・地域保健チームの活動モニタリング

【画像】

活動の進捗を赤、黄色、緑で表示

【画像】

家庭・地域保健チームの活動に関する保健管区職員による勉強会