プロジェクトの供与機材の活用

2023年5月1日

昨年、マサヤ県とカラソ県の集落で母子保健サービスのプライマリー・ヘルス・ケア活動強化に取り組む家庭・地域保健チーム(ESAFC)に医療用機材を供与しました。妊産婦や乳幼児の健診に必要な血圧計や体重計、胎児心音を測定するハンディ型ドップラーなどの基本的な医療機材9種類と、それらを安全に持ち運ぶリュックサックを加えた全10品目、計45組です。保健省への引き渡しから約1年、それらの機材を日常業務で使用している写真が、感謝の言葉とともにプロジェクトに届きました。

ニカラグア保健省は、各市の保健センターとESAFCによる「健康フェア」で、巡回診療や健康診断のほか、ワクチン接種や健康相談、そして医師や看護師による疾患予防のための健康教室などを開催することに力を入れています。供与した医療機材は、妊産婦や乳児へのケアだけでなく、これらの活動でも大いに活用されています。地域の保健ポストや町の保健センターには頑丈な体重計や身長計が設置されていますが、いずれも重量があり持ち運びには向いていません。そのため、プロジェクトが供与した小型の医療機材が、広場や学校などで行われる健康診断で役立っています。

現在、プロジェクトが保健省と作成した「非感染性疾患対策のための基本的な医療機材リスト」をもとに、JICAニカラグア事務所による医療機材の調達作業が進められています。今後、ESAFCの医療従事者が、配布された機材を活用して、高血圧症や糖尿病のリスクのある住民の早期発見と継続的な保健サービスが提供されるよう、研修による知識強化や効果的なモニタリングの指導等を続けていきます。

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写真1)折りたたみ式身長計を使っての身体計測

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写真2)妊婦の自宅にて、ハンディ型ドップラーで胎児心音を確認中