住民の意識・行動変容への取り組み

2023年5月26日

マサヤ県とカラソ県の18カ所の保健管区市支所において、医療従事者とコミュニティネットワーク(保健活動に参加する住民ボランティア)で構成される「家庭・地域保健チーム(ESAFC)」による“家庭・地域保健モデル(MOSAFC)活動の四半期評価会”を開催しました。

今回が3回目になるこの評価会では、医療従事者とコミュニティネットワークが人間関係を築けているか、お互いの合意の上で共同作業を進めいているか、どこまで進捗したか、などついて、月例会議や諸活動の記録類をもとに具体的な活動状況の確認を行いました。

MOSAFCとは、ニカラグアにおけるプライマリ・ヘルス・ケアを展開するために、各保健セクター1を担当するESAFCの医療従事者2が、感染症を含む多様な疾病に関して、予防のための啓発や早期対応を行う保健医療の統合ケアシステムです。特徴的なのは、この活動を医療従事者だけで進めるのではなく、住民を巻き込んで、実施する保健医療モデルであることです。

住民の中から保健ボランティアをESAFCのメンバーに迎え、「健康的な生活」や「より良き生活」について、医療従事者とともに単に指導するのではなく、住民自らが考え、取り組むための体制づくりをします。健康的な生活を営む上で解決すべき様々な課題を抽出して、「原因は何か」「どうすれば生活環境は良くなるのか」「何ができるか」等を考え、問題解決のため住民に取り組める活動を計画し、医療従事者がそれらの活動を支援して実行します。活動実施後には、「何が解決されたか」、「効果的な活動であったか」、「次回実施するときは、何を改善できるか」を参加者間で意見を出し合って考えます。このように、住民自らが健康について考える機会を設けて、「手を洗う」「清潔にする」「ごみを捨てない」等、健康的な生活を送るために必要な行動を繰り返し実践することで、習慣化していくことが目的です。

プロジェクトでは、今回のようなMOSAFCの評価会を通じて、医療従事者が住民の意識・行動変容に、現在どのように取り組んでいるか、また、今後はどう取り組んでいくのかを検証し、全ての住民に健康でより良い生活を送るために必要なメッセージが届くように働き掛けています。

1 市街地だと人口4千人程度、農村部であれば2千人程度に区切った一つの地域を指す。
2 医師・看護師・准看護師で構成される。

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写真1)家庭・地域保健モデルの評価会(カラソ県サン・マルコス市)

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写真2)家庭・地域保健モデルの評価会(マサヤ県サン・フアン・デ・オリエンテ市)