モバイルテクノロジー(携帯電話)で再来予約確認と未再来者追跡始まる

2017年8月31日

プロジェクトでは、ラゴス州プライマリー・ヘルス・ケア庁(以下LSPHCB)との協議の結果、「患者予約確認と未再来者追跡自動SMS配信システム」の開発に取り組んできました。(注)

産前・産後ケア、乳幼児予防接種、家族計画などのサービスは、定期的に継続的に提供されるべき保健サービスですが、何らかの理由で再来が止まってしまうことがあります。プロジェクトでは、エティ・オサ地方行政区で携帯電話による未再来者の追跡を行い、成果を上げた実績があり、この経験をもとに、SMS自動配信システムの独自開発をしました。

このシステムが、7月にようやく実践導入可能となり、まずはラゴス州全体で289か所のプライマリー・ヘルス・センター(以下PHC)の中から100か所に絞って試験的に導入するため、研修を実施しました。

ラゴス州保健省(以下LSMOH)、LSPHCB、地方行政区(以下LGA)保健チームについては、システムについて理解し、フォローアップができるようになること、一方、PHC職員については、実際のオペレーションができるようにその手順を覚えることを目的としました。研修のファシリテーションは、LSMOH、LSPHCB、LGA保健チームの中から選抜された人たちをファシリテーターとして事前に養成して研修を実施しました。

そして、プロジェクトが開発したモバイルアプリを組み込んだスマートフォンを各PHCに1台ずつ、そのほかユーザーマニュアル、簡易手順を表したポスター及び予約台帳とともに提供し、試験導入を開始しました。また、8月には、約3週間かけて100か所のPHCを巡回訪問し、システム導入がスムーズに進むよう個別指導も実施しました。

各PHCからの患者予約データ入力状況は、データサーバーのインターフェイスで確認が可能となっています。全PHCのデータアップロードは徐々にデータアップロードが進み、PHC再来予約確認SMSがクライアント(主に母親)に自動配信され、未再来者が減ることが期待されています。

【画像】

Surulere PHCにおいて予約台帳の情報をモバイルアプリによって入力中のPHC職員