パイロット校の理数科教員と視学官に対する研修を実施しました

2020年3月19日

2019年4~5月に実施した授業分析の結果から、黒板の使い方や発問技術、授業構成などの教員の基礎的な教授技術の不足によって、生徒が思考する機会が十分に保障されていない授業が多いことが明らかとなりました。授業分析や学力診断テストの結果をもとに、2019年8月にプロジェクトチーム内で協議し、短期間で実践でき、かつ効果の期待できる実践的な改善策として、1.板書技術、2.板書型指導案、3.ノート指導、4.発問技術、5.思考ツール、6.単元テストの提供、7.朝学習(数字カード・暗算プリント、読書)の導入を教育庁に提案し、学校現場で試行することとなりました。7つの改善策のうち、先ずは基礎的な教授技術に関する1~4を導入するため、2019年9月にラマッラー市内の視学官とパイロット校10校の理数科教員、計約50名を対象に研修を実施しました。また、改善策1~4の研修と並行して、改善策7の数字カード・暗算プリントの試行を3校で開始しました。数字カードとは、基礎計算力の土台となる「9+9までの足し算」、「18-9までの引き算」、「掛け算九九」を生徒が確実に習得するためのカードを用いた練習方法です。診断テストの結果から初等4年生までの基礎計算力の低さが明らかとなったため、数字カード・暗算プリントについては初等3・4年生を対象に導入しました。

2019年9~10月に改善策1~4の試行状況を確認するため、ラマッラー市内のパイロット校で理数科授業のモニタリング・フォローアップを行いました。モニタリングを通じて、沢山の教員が板書や発問技術など、PIQMASの研修で学んだ教授技術を授業に取り入れていることが分かりました。

2019年11月以降、残りの改善策についても研修を実施し、授業モニタリングを行う予定です。

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研修の様子(板書計画づくり)

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板書計画にアドバイスする専門家

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数字カードを使った活動