オイルポットをあなたの台所へ−流域保全のための油リサイクルプログラムにモデル市民が参加−

2017年5月26日

JICAは、国家電力公社(ANDE)と共に「イグアス湖流域総合管理体制強化プロジェクト」を実施しています。このプロジェクトの活動の一環として、住民代表と参加型で市レベルのプラットフォームを設立し、流域保全活動に、油のリサイクルプログラムを導入したところ、大変好評でした。

現地では、下水処理施設がないのにもかかわらず、料理で使った油を台所の排水口からそのまま流す習慣があります。昔、油の容器は缶で出来ており、使用後の油を戻して使うことが出来ましたが、最近ではプラスティック製の容器が多く、リサイクルすることが面倒な部分があることから、排水口に流す習慣がついたと思われます。

そこで、オイルポットを活用した油リサイクルプログラムを提案し、住民に行動変容を促すことにしました。

実施したプログラムは、先ずは廃棄物一般の講座を受講してもらい、その後、一例として油を石けんにするリサイクルの実習に参加してもらいました。また、講座と実習を受けた住民代表に、パラグアイ国内の工場で製造したオイルポットを試験的に使ってもらうことになりました。住民代表からは「ひと手間が面倒でリサイクルできなかったけど、これを使えば簡単にリサイクルできそうだ」、「牛乳缶のような容器に、蓋と網をつけただけなので地元の工場でも作れるのでは?」等という声も聴かれました。また、リサイクルした油を販売して自宅で商売を始める女性グループも出てきており、活動が広がりを見せています。

これからも、住民の力でリサイクル活動を広めてゆくことで、流域保全の意識向上に繋がってゆくことを期待しています。

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最初の廃棄物一般についての講座

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最初の廃棄物一般についての講座

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油を石けんにするリサイクルの実習

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油を石けんにするリサイクルの実習

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講座と実習を受けた、住民代表にオイルポットを使ってもらう

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講座と実習を受けた、住民代表にオイルポットを使ってもらう

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パラグアイ国内の工場で製造されたオイルポット

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パラグアイ国内の工場で製造されたオイルポット