4年間のプロジェクト終了 −「イグアス湖流域総合管理体制強化プロジェクト」終了時セミナー及び合同調整委員会開催−

2017年7月20日

JICAは、アカラウ水力発電所の夏場の水位調整用の湖として活用されているイグアス湖流域の管理・保全を目的とした「イグアス湖流域総合管理体制強化プロジェクト」を国家電力公社(ANDE:アンデ)と共に、4年間(2013年8月〜2017年7月)実施してきました。プロジェクト終了に当たり、プロジェクトがこの4年間取り組んできた活動とその成果を共有するため「終了時セミナー」及び「合同調整委員会」を開催しました。

プロジェクトは、イグアス湖流域の管理体制の強化を図るため、4つの成果を掲げました。具体的には、科学的調査に基づく流域管理計画の策定、森林再生・植生回復の具体化、関係機関との連携強化による市レベルの流域管理手法の確立、そして各関係機関との調整体制の確立です。6月9日に開催された終了時セミナーにおいて、活動に取り組んできたプロジェクトカウンターパートたちがそれぞれ経験を語り、成果を発表しました。森林再生・植生回復チームの代表者は、「在来樹種と外来樹種の数年に渡る研究結果から、より効果的な植林手法をみつけた」、また、住民参加チームからは、「流域の各市で、住民代表による組織を中心に流域管理活動に取り組むように支援してきたが、住民への支援という仕事は初めてだったので学ぶことが沢山あった。」と、活動を振り返りながら語ってくれました。セミナーには約120名が参加しました。

終了時セミナーに続き、2017年7月7日に合同調整委員会(JCC)が開催されました。パラグアイの各省庁代表者の同席のもと、JICAとANDEによる今後の展開についての協議が行われました。ANDEの環境管理部長は、「プロジェクトは終了するが、我々の流域管理は始まったばかり。プロジェクト期間中に作成した「イグアス湖流域管理計画」を10年かけて実施していく。」と、力強い発言がありました。

パラグアイの流域管理はまさに独り立ちをしていく時が来ました。JICAによる4年間の協力の中で移転された技術を活用し、市レベル国レベルで形成された様々な流域管理の組織と連携して、関係者一丸となってイグアス湖流域の適切な利用を促進することを期待しています。

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終了時セミナー

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ANDEカウンターパート

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プロジェクト概要をプレゼンするチーフアドバイザー

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ANDE総裁とJICA事務所長

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ANDE環境管理部長