短期専門家「残留農薬分析」による技術指導実施

2020年3月9日

国立植物・種子品質・検疫機構(SENAVE)研究所は、日本向けゴマ輸出の残留農薬検査にあたって、Waters社製の高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MSMS)を用いて行ってきました。しかしながら、同機材一台のみの状況では、今後予測される検査需要の増加への対応が困難であることもあり、昨年10月、本プロジェクトにて、島津製作所製LC/MSMSの供与を行いました。現在、SENAVE研究所は、残留農薬検査の充実・拡大に取り組んでおり、これら分析機器を用いた検査能力の向上が急務とされています。

このような状況において、2020年2月2日~22日、田中優専門家(神戸検疫所 輸入食品・検疫検査センター)が、SENAVE研究所において残留農薬分析の技術指導を行うべく派遣されました。

今般、田中専門家は、パラグアイにおけるゴマ栽培によく使用され、今後、検査を実施する予定の農薬(クロルピリホス、ジウロン、テブコナゾール、ハロキシホップ)に対する分析法の技術移転、器具の使用状況の確認、分析手技等の技術指導をSENAVE研究所の検査官に行いました。また、島津製作所製LC/MSMSの標準業務手順書作成指導、機材のメンテナンス講習、更には、機材トラブルが起きた際の原因究明や解決方法についての助言を行いました。

田中専門家からSEANAVEに対して、検査官や機材の不足、機材メンテナンスの重要性、検査におけるチェック体制の強化などの提言が行われましたが、これら提言については、3月5日に開催された合同調整員会(JCC)会議において関係者間で確認されました。プロジェクトとしては、これらの提言に対応し、SENAVE研究所の残留農薬検査の充実・拡大に向けて、引き続き支援を行っていきます。

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SENAVE総裁(左から2番目)および技術総局長(左から3番目)にレクチャーを行う田中専門家

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SENAVE研究所にて技術指導を行う田中専門家(左)

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SENAVE研究所にて技術指導を行う専門家(中央)