SENAVE研究所の新検査棟建設に向けた動き

2021年5月12日

SENAVEは、農産物の残留農薬、カビ毒及び重金属の検査強化のためにSENAVE研究所に新検査棟の建設を計画していますが、今年10月の着工を目指し、設計と建設の入札に向けて急ピッチで準備を進めています。

これまでもプロジェクト事務所として、入札仕様作成のために技術的な助言を行ってきましたが、SENAVEは食品検査施設を有するSUMI社の高岡社長らも招き、Gonzalez総裁はじめ同研究所のCarmelo所長らと共に4月20日に協議を行いました。

同研究所から、新検査棟の意義や、検査内容に沿った検査室の用途や配管・排水・配電や建設後のメンテナンスなど設計仕様の説明があり、SUMI社からは自社の検査施設の立ち上げの経験を踏まえたアドバイスがありました。プロジェクト事務所からは、検査業務の作業効率とコンタミネーション防止対策、安全性の確保、環境負荷の低減を考慮すること、特に、検査における安全性確保と環境付加の点に関しては、日本の検査施設の局所排気装置を例に、ダクトの配管の配置や材質ついて説明しました。

これとは別に、SENAVEの依頼を受け、4月29日、主に家畜衛生の研究を行う機関である家畜品質・衛生機構(SENACSA)が一月ほど前に竣工した新しい研究施設をSENAVE研究所の技師と共に視察しました。

この新研究棟は、メルコスール(注)の融資により建設され、床面積は約1500平方メートルと広く、家禽のワクチン検査や狂犬病等病原体の検疫などに関する多くの研究室があり、欧州連合(EU)から供与された検査機器が各検査室に配置されています。設計に携わった建築技師のDiana氏から、業務の動線を踏まえた設計上のポイントや床や壁の材質、塗装などの説明を受け、新検査施設の仕様作成の参考になったものと思います。SENAVEは、これらのアドバイスを考慮しつつ入札仕様図書の完成を急ぎ、5月中の入札公示を目指しています。

(注)アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイから成る関税撤廃等を目的とする関税同盟。域内の関税及び非関税障壁の撤廃等による財、サービス、生産要素の自由な流通、対外共通関税の創設、農業、交通・通信等のセクター別経済政策の協調、関連分野における法制度の調和に係る取り組みが行われている。

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SENAVE、SUMI社との意見交換の様子
左から遠藤チーフアドバイザー、SENAVE 研究所Alba化学分析課長、Gonzalez SENAVE総裁、SUMI高岡社長、SUMI社Carlos技師

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SENACSA新研究施設視察の様子
左から、遠藤チーフアドバイザー、Diana建築技師、SENAVE 研究所Alba化学分析課長