プロジェクト対象地域での意見交換を開始

2021年12月20日

プロジェクトIMPACTOでは、コロネル・オビエド、ビジャリカ、アスンシオン、フェルナンド・デ・ラ・モラの4つの市を活動対象地域に選定しています。12月中に3つの市の関係者と面談を行い、プロジェクト概要を説明し、今後の活動の進め方について意見を交換しました。

最初に訪問したのは、アスンシオンから150キロ、パラグアイ南東部のカアグアス県コロネル・オビエド市です。カアグアス県知事、コロネル・オビエド市に新設された障害者人権事務局など自治体の関係者にプロジェクトの趣旨等について説明し、自治体職員を対象とした障害平等研修の実施についても提案しました。

また、国家障害者人権庁(SENADIS)のコロネル・オビエド支部では、職員に加え、CBID(地域に根ざしたインクルーシブな開発)を推進するためのネットワークに参加している障害者団体や障害者支援団体からも代表者が集まり、意見交換を行いました。このネットワークは2018年に立ち上げられましたが、コロナウイルス感染拡大の影響もあり、活動があまり進んでいないとのこと。本案件を通じ、このような地域のつながりを活性化していきたいと関係者で話し合いました。

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カアグアス県庁での打ち合わせ

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CBIDネットワークの関係者との意見交換

次に訪れたのは、コロネル・オビエド市から60キロほど南下したところに位置するグアイラ県ビジャリカ市。市長、障害者人権事務局、SENADISビジャリカ支部関係者に加え、ここではボランティア協会グアイで活動する皆さんとも会うことができました。グアイは障害ある人とない人が一緒に活動している市民団体で、外部のNGOと連携した研修やインクルーシブなコミュニティ・イベントの開催など、幅広い活動を行なっていますが、市民団体だけでは行政や一般市民に働きかけることが難しいとのこと。プロジェクトIMPACTOを通じて、行政を含む多くの関係者と連携することで、ビジャリカ市をよりインクルーシブにしていきたい、と意気込みを語ってくださいました。

【画像】ビジャリカ市長、障害者人権事務局、ボランティア協会グアイのみなさんと

そして、アスンシオン市の障害者政策総局長との打ち合わせでは、主に物理的アクセシビリティの改善に向けた活動の進め方について意見を交換しました。パラグアイには物理的アクセシビリティに関する法律があり、アスンシオン市は、その法律の施行を目的とした条例を制定していますが、新規建築の許認可申請時における市役所でのチェックが十分に機能しておらず、アクセシビリティが改善されないという課題があります。大きな挑戦ですが、このプロセスを改善する意義は大きいと話し合いました。

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アスンシオン市役所での打ち合わせ

プロジェクトの開始にあたり、このようなキックオフのミーティングを対象サイトで行いました。関係者の関心と期待は大きく、自分達の住む地域をよりインクルーシブにしていきたいという思いが伝わってきます。前回プロジェクト終了後、3年ほど間が空いており、特に、自治体には新しい関係者も多いため、コロネル・オビエドとビジャリカにおいては、まずは、障害とは何かという基本的理解を共有するための障害平等研修を行った上で、活動内容を具体化していく予定です。また、アスンシオンで物理的アクセシビリティの課題に取り組むために、市役所内の複数の部署や他機関との連携を進めていきたいと考えています。