パラグアイ初!障害者の自立生活実現に向けた動きが進んでいます

2022年3月2日

自分の人生や毎日の生活のあり方を自分で選択して決める自由を持ち、自らが選んだ地域社会で自立した生活を送るということは、障害の有無に関わらず、誰もが持っている権利です。しかし、障害のある人の中には、自分にそのような権利があることを知らない場合や、自分の意志に反して施設で生活したり、家族に依存したりせざるを得ない状況にある人がいます。パラグアイでも、人口の約10%に障害があると推計されていますが、街中で障害者を見かけることは稀で、自由に外出することが難しい障害者が多いのではないかと感じます。

今、パラグアイでは、自立生活を実現させようという動きが進んでいます。中心となっているのは、JICAの研修で来日した、パラグアイの障害者や支援者。日本の自立生活センターを訪問し、介助者のサポートを受けながら、地域で生き生きと生活している障害者の姿を見て、適切なサポートがあれば、障害者も自立して生活できることを知りました。パラグアイ初の自立生活協会を2021年2月に立ち上げました。団体名のテコサソは、グラアニー語(パラグアイでスペイン語と共に公用語として用いられている先住民の言語)で「自立生活」を意味します。

自立生活について、より多くの障害者に知ってほしいと、仲間を集め、今では約20人のメンバーがいます。障害者の自立生活の権利を認め、介助者制度を整備するための法律が必要と考え、南米の国々の事例を参考に、パラグアイの状況に適した法案を作るべく研究中です。将来、パラグアイにも障害者が運営する自立生活センターを設立することを熱望しており、日本の自立生活センターの経験から学び、ピアカウンセリングや介助者の育成、派遣などができるような力もつけたいと考えています。

3月1日、日本の自立生活センターとの関係構築の最初の一歩として、コスタリカで自立生活センター「モルフォ」の立ち上げと発展を長年にわたり支援している、西宮市の「メインストリーム協会」の方々とオンラインで意見交換を行いました。この日のために準備して臨んだテコサソのメンバーたちからは、自立生活に対する強い想いが伝わってきました。パラグアイ初となる障害者の自立生活の実現に向けたプロセスを、プロジェクトIMPACTOでも応援していきます。

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