ボリビアの自立生活センターとの連携活動開始

2023年7月17日

オンラインによる6時間の研修プログラム

ボリビアとパラグアイとをオンラインでつなぎ、7月12日と13日の夜、それぞれ3時間のオンライン研修を開催しました。目的は、パラグアイの障害者が自立生活センターの機能、介助者の役割、介助者の育成方法などについて理解し、将来、自分たちで介助者研修を実施できるようにすること。講師を務めたのは、すでに自立生活センターを国内3か所で立ち上げて活動している、ボリビアの障害者リーダーと介助者の皆さんです。パラグアイからは、自立生活協会テコサソで活動している、身体や視覚に障害のあるメンバーが参加しました。

ボリビアの研修講師のパラグアイ来訪を前に

翌週19日から27日にかけて、ボリビアから研修講師8名(車いす使用者4名、介助者4名)がパラグアイを訪問します。この研修はその訪問に先立ち、開催されました。パラグアイでは、障害者を対象とするピア・カウンセラー育成研修と、障害のない人を対象とする介助者育成研修が同時並行で開催されるため、介助者育成の研修に障害者は参加できません。そのため、障害者が介助者育成研修の内容を理解し、疑問点等があれば、講師陣のパラグアイ滞在中に質問できるように、このタイミングで実施しました。

充実の研修内容

自立生活センターの主な機能など、自立生活実現を目指しているパラグアイの参加者が知っておくべき基礎的な情報から研修が始まりました。続いて、ボリビアでの自立生活センター立ち上げの道のり、介助者の役割や資格要件、看護職と介助者の違いなどについて、介助サービスを利用する立場の障害者と介助者が連携して講師を務めます。

介助者の育成は、自分の障害や必要なサポートについて誰よりも理解している障害者自身が中心となって行うべきこと。介助者は障害者の手足や目、耳、口となるが、何をどのようにサポートするかを決めるのは障害者であること。同性による介助の原則。介助者に明確な指示を出し、介助者への配慮や権利尊重を忘れないことも、サービス利用者としての障害者の責任であること。このような重要なポイントが、ボリビアの自立生活センターでの事例も交えながら紹介されました。

研修後半には、介助の方法に加え、グループに分かれて、介助時間数の算出、介助者派遣のコーディネートの方法などについて、ボリビアで使われている記入表を示しながら説明がありました。介助サービスを利用したことのないパラグアイの障害者の皆さんにも、具体的なイメージが伝わるように、様々な工夫をこらした研修内容でした。

ボリビアの仲間からの温かい励まし

今回の研修では、介助者育成のエッセンスを短時間で伝えました。今後、実際に介助者の育成を行う前に、このたびパラグアイで開催する介助者研修の録画も参考にしつつ、介助方法の伝え方など具体的なスキルを習得していくことになります。その過程において、疑問や不安な点も出てくることでしょう。ボリビアの講師たちからは、「質問があれば、遠慮なくコンタクトしてほしい。いつでも力になるから。」と温かい言葉がありました。この研修は、両国の障害者が協力し、自立生活を目指す仲間を支え、インクルーシブな社会を目指す一歩となりました。

オンライン研修終了後に笑顔を見せるボリビアの講師とパラグアイの参加者たちの画像オンライン研修終了後に笑顔を見せるボリビアの講師とパラグアイの参加者たち