プロジェクト活動

1.事業概要

(1)事業目的(協力プログラムにおける位置づけを含む)

本事業は、新規診断法の開発、ワンヘルス・アプローチによるラボ診断サーベイランス・システムの構築、根拠に基づく介入手段の開発により、「ワンヘルス・アプローチ予防・治療ネットワークモデル」の構築を図り、もってフィリピン全土での効果的な狂犬病制御の実践に寄与するものである。

(2)プロジェクトサイト/対象地域名

中部ルソン地域のパイロット市及び郡を含む州

(3)本事業の受益者(ターゲットグループ)

直接受益者

保健省疾病予防対策局、RITM、国立サンラザロ病院、保健省中部ルソン地域事務所、農業省畜産局、農業省中部ルソン地域フィールド事務所、中部ルソン地域動物疾病診断検査ラボ

最終受益者

フィリピン国民

(4)事業スケジュール(協力期間)

2018年8月20日から2023年8月19日を予定(計60ヶ月)

(5)総事業費(日本側)

3億円程度

(6)相手国側実施機関

保健省疾病予防対策局及び国際保健協力局、RITM(直接的なカウンターパート機関)、国立サンラザロ病院、保健省中部ルソン地域事務所、農業省畜産局、農業省中部ルソン地域フィールド事務所、中部ルソン地域動物疾病診断検査ラボ

(7)投入(インプット)

1)日本側

1.専門家派遣
  • チーフ・アドバイザー/ヒト狂犬病生前診断法の開発(短期専門家)
  • 業務調整(長期専門家)
  • ヒト狂犬病研究の専門性を有する研究者(長期専門家)
  • イヌ狂犬病研究の専門性を有する研究者(長期専門家)
  • 洞毛を用いたイヌ狂犬病診断法開発の専門性を有する研究者(短期専門家)
  • 分子疫学的研究の専門性を有する研究者(短期専門家)
  • ワンヘルス・アプローチによる狂犬病サーベイランス・システム構築の専門性を有する研究者(短期専門家)
  • 必要に応じ、プロジェクトで行う研究に必要な専門性を有するその他の研究者(短期専門家)

計230M/M程度

2.研修員受入:本邦研修
  • 洞毛を用いたイヌ狂犬病新規診断法開発
  • ワンヘルス・アプローチによる狂犬病サーベイランス・システム構築
  • 狂犬病対策のための分子疫学的研究
  • 必要に応じ、プロジェクトの研究活動に必要なその他の研修
3.機材供与
  • プロジェクトで実施する研究活動に必要な機器等
4.ローカルコスト
  • フィリピン側負担事項以外のプロジェクト活動実施に必要な運営経費

2)フィリピン国側

1.カウンターパートの配置
  • プロジェクト・ダイレクター(RITM所長)
  • プロジェクト・マネージャー(RITM臨床研究部門長)
  • プロジェクト共同マネージャー(保健省NRPCPプログラムマネージャー、農業省NRPCPプログラムマネージャー、国立サンラザロ病院総合内科長、RITM科学研究専門官)
  • 技術アドバイザー(疫学コンサルタント)
  • プロジェクトの研究活動に必要な専門性を有する研究者
2.土地、資機材、情報・データ
  • RITM、国立サンラザロ病院及び中部ルソン地域動物疾病診断検査ラボ内事務スペース
  • RITM、国立サンラザロ病院及び中部ルソン地域動物疾病診断検査ラボ内実験室スペース
  • RITM、国立サンラザロ病院及び中部ルソン地域動物疾病診断検査ラボが保有する既存の生物資源
  • 狂犬病患者、感染動物、患畜、ルーチン活動に要する運営費等に関する疫学情報・データ
  • イヌおよびヒトの狂犬病対策に係わる政策情報及びその達成状況
3.ローカルコスト
  • 研究者人件費、旅費・消耗品などを含む研究活動費、水道料金・電気料金・通信費などの光熱費、研究機器、機材の維持管理費など、プロジェクト活動実施に必要な運営経費

(8)環境社会配慮・貧困削減・社会開発

1)環境に対する影響/用地取得・住民移転

1.カテゴリ分類(A,B,Cを記載):C

2.カテゴリ分類の根拠:本事業は「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン」(2010年4月)上、環境への望ましくない影響は最小限であると判断されるため。

2)ジェンダー平等推進・平和構築・貧困削減

特になし。

(9)関連する援助活動

1)我が国の援助活動

既述のとおり、SATREPS「小児呼吸器感染症の病因解析・疫学に基づく予防・制御に関する研究プロジェクト」はRITMをフィリピン側カウンターパート機関として東北大学が実施した。同大学はRITM内に「東北大学-RITM新興・再興感染症共同研究センター」を設置しており、同センター所属の日本人研究者1名が本事業にもJICA専門家として参加することが予定されている。

また、長崎大学は国立サンラザロ病院と大学間交流協定を締結しており、同大学のラボも設置されている。同大学は本事業の日本側実施機関であり、同大学のラボとも協力しながら本事業の活動が実施されることが見込まれている。

2)他ドナー等の援助活動

既述のとおり、本事業はWHOなど他の開発パートナー機関が参加している「国家狂犬病予防対策プログラム」と協調して活動が実施されるが、個別の機関による援助活動と直接的な連携等は想定されていない。

2.協力の枠組み

(1)協力概要

1)上位目標と指標

<上位目標>

プロジェクトで構築したワンヘルス・アプローチ狂犬病予防・治療ネットワークモデルに沿ってフィリピン全土で効果的な狂犬病制御が実践されている。

<指標>

1.NRPCPがRITMの協力のもとで、全地域の狂犬病対策に係わる行政官及び技術スタッフ等を対象に、ワンヘルス・アプローチ狂犬病予防・治療ネットワークモデルの実施に関する研修が少なくとも年1回以上実施されている。
2.プロジェクト期間終了3年後に、中部ルソン地域のパイロット市及び郡を含む州において狂犬病死亡報告数が12ヵ月間以上ゼロである。

2)プロジェクト目標と指標

<プロジェクト目標>

フィリピンによる狂犬病排除の支援に向けて、公衆衛生・獣医学・疫学によるワンヘルス・アプローチ予防・治療ネットワークのモデルが構築される。

<指標>

1.プロジェクト期間終了時点で、中部ルソン地域のプロジェクトパイロット市及び郡からの狂犬病死亡報告数が12ヵ月間以上ゼロである。
2.フィリピン統合疾病サーベイランス・レスポンスの狂犬病関連箇所及び国家狂犬病予防対策プログラムの運用マニュアルにプロジェクトのワンヘルス・アプローチ狂犬病予防・治療ネットワークモデルが取り入れられる。
3.フィリピン人研究者が筆頭著者あるいは相当の役割を果たした関連研究論文が、フィリピン側研究機関から10報以上、論文審査のある学術専門誌に掲載される。

3)成果

成果1:イヌ及びヒトの狂犬病新規診断法がフィリピンの検査施設で確立している。

<指標>

<洞毛を用いたイヌの狂犬病診断法の開発>

1.2020年3月までに、洞毛を用いた新規イヌ狂犬病診断法の臨床性能が国際標準法との比較により確認されている。
2.2021年3月までに、Region IIIのRADDLにおいて洞毛を用いた新規イヌ狂犬病診断法の運用性および操作性の評価が終了している。
3.プロジェクト期間終了までに、洞毛を用いた新規イヌ狂犬病診断法が国家狂犬病予防対策プログラムの運用マニュアルに含められている。

<ヒト狂犬病発症前診断法の開発>

4.2021年3月までに、ヒト狂犬病の潜伏期に特異的に出現する血中バイオマーカーの検出系がSLHおよびRITMで確立している。
5.2023年3月までに、プロジェクトで同定したバイオマーカーの発症前診断における有用性が証明されている。

成果2:イヌ及びヒトの狂犬病制御のためのワンヘルス・アプローチによるラボ診断サーベイランス・システムが対象地域で確立する。

<指標>

1.2019年1月までに、狂犬病ラボ診断サーベイランスの試験運用がRegion IIIで開始されている。
2.2020年1月までに、Region IIIのRADDLのラボスタッフの80%以上がプロジェクトによる洞毛を用いた新規診断法に関する研修を受講している。
3.2020年1月までに、対象となる行政官およびラボスタッフの80%以上が、プロジェクトによる疫学および咬傷事例管理を含むラボ診断サーベイランスに関する研修を受講している。
4.2021年9月までに、運用性、有効性の評価を踏まえたワンヘルス・アプローチによるラボ診断サーベイランス運用案が最終化されている。

成果3:イヌとヒトの狂犬病排除のための根拠に基づく介入手段が開発される。

<指標>

1.2019年3月までに、集団免疫に基づくイヌに対するワクチン接種戦略の修正提案が完成している。
2.2020年12月までに、Region IIIの集団ワクチン接種後のイヌの狂犬病ウイルスに対する結成抗体陽性率に関する疫学的分析が完了している。
3.2020年12月までに、小児に対するワクチン集団接種および学校教育の効果が動物咬傷発生や費用対効果におよぼす影響が検証されている。
4.2022年3月までに、現在実施されている狂犬病対策の狂犬病ウイルスの伝播動態に及ぼす影響が評価されている。
5.2022年12月までに、ワンヘルス・アプローチに基づく狂犬病予防・治療ネットワーク包括的現地研修プログラムが確立される。

4)活動

成果1に係る活動

1-1.洞毛を用いたイヌの狂犬病診断法の開発
1-1-1.RITMに狂犬病実験専用の動物解剖室(およびBSL-3獣医学実験室)およびRegion IIIのRADDLの狂犬病検査室を整備する。
1-1-2.日本の研究機関で作成した洞毛を用いたイヌ狂犬病診断法(直接高速免疫組織化学試験、簡易PCR法、イムノクロマト法など)をRITMへ導入する。
1-1-3.RADDL所属の獣医師およびRITMラボ研究部門獣医学研究課主導でRegion IIIで狂犬病発症が疑われるイヌから脳検体を収集し、RITMで国際標準法(新鮮な脳組織スタンプ標本を用いた直接蛍光抗体法)による感染診断を実施する。(年間50頭のイヌ狂犬病発症症例を目標)
1-1-4.脳検体を用いた国際標準法による診断法との比較により、感度、特異度、検査コスト等の観点から洞毛を用いた診断法の臨床性能を調査する。
1-1-5.Region IIIのRADDLに対して洞毛を用いたイヌ狂犬病診断法も含む狂犬病診断能力向上のための研修を実施する。
1-1-6.Region IIIのRADDLでの試験導入により、洞毛を用いたイヌ狂犬病診断法の運用性および操作性を評価する。
1-1-7.イムノクロマト法によるイヌ狂犬病診断キットについて日本の企業と協力して洞毛の前処理法を最適化し、RITMに試験導入を行う。

1-2.ヒト狂犬病発症前診断法の開発
1-2-.1.日本の研究機関において、狂犬病ウイルス実験感染モデルマウスを用いて潜伏期間に特異的に出現するバイオマーカーを検索・特定する。
1-2.-2.活動1-2-1で特定した潜伏期間中の狂犬病診断のための候補バイオマーカーについて検出系を構築する。
1-2.-3.日本の研究機関で構築したバイオマーカー検出系をSLHおよびRITMへ導入する。
1-2-.4.RITMおよびSLHでラボ診断のついたもしくは臨床的に診断されたヒト狂犬病患者から得られた臨床検体(血清、唾液、髄液)を試験することにより、特異的バイオマーカーを用いた発症前診断法の臨床性能を評価する。

成果2に係る活動

2-1.狂犬病が疑われるイヌからの検体採取や移送、保存、ならびに検査のための施設や人材、手技、施設間の連絡調整など狂犬病検査システムやサーベイランスについて、レビュー・評価を実施する。

2-2.洞毛を用いたイヌ狂犬病診断法において、洞毛の操作や処理に関する標準操作手順書(SOPs)やプロトコル等を作成し、RITMおよびRegion IIIで試験運用する。

2-3.RITMを主要なリファラルラボとする洞毛を用いた方法も含むイヌ狂犬病診断法の外部精度保証(EQA)システムを開発し、Region IIIのRADDLと協力の下で試験運用する。

2-4.Region IIIのイヌまたはヒトの狂犬病サーベイランスに係わるRADDLおよびABTCのラボスタッフ等を対象に、高速・高解像度バーチャルスライドスキャナーを用いた狂犬病病理診断法や洞毛を用いた新規診断法に関するインターネット遠隔研修を実施する。

2-5.Region IIIでヒトもしくはイヌ狂犬病対策に係わる行政官、医療施設・検査施設職員等を対象に、イヌおよびヒトの狂犬病発生に関する疫学とその病態生理に関する研修や、ワンヘルス・アプローチによるラボ診断サーベイランス運用案検討のためのワークショップ等を実施する。

2-6.上記活動を踏まえてワンヘルス・アプローチによるラボ診断サーベイランス運用案を策定し、Region IIIで試験運用による運用性、有用性を評価する。

成果3に係る活動

3-1.飼育犬への集団ワクチン接種への介入とその後の集団免疫に基づくワクチン接種戦略の最適化
3-1-1.Region IIIから介入を行う1州のパイロット市および郡を選定する。(注)対象市・郡の数および場所は活動2-1の現状調査の結果を踏まえて決定する。
3-1-2.犬に対する集団ワクチン接種およびイヌ個体数推定調査と連動して、血清学的横断研究をとおして特定地域内の飼育犬および放浪犬に対する狂犬病中和抗体測定法(RAPINA法)を用いた感染防御に必要な抗体価レベルの測定を行う。(注)抗体価が感染防御に必要なレベルに達していない場合は、狂犬病予防法に基づき、狂犬病予防対策プログラムがワクチン接種を行う。
3-1-3.少なくとも年に1回の頻度で活動3-1-1および3-1-2で調査した犬を対象にワクチン接種歴、抗体価、狂犬病発症の有無等を分析した結果に基づいて集団免疫のレベルを推定する。
3-1-4.ワクチン接種後の抗体価の推移や狂犬病の実際の発症との関連を評価し、また、集団予防接種による狂犬病の淘汰が確認・維持されている州との比較検討を行うことで、フィリピンの環境や疫学的状況に則した集団免疫に基づくワクチン接種戦略の修正提案(最適化)を行う。

3-2.受動的および能動的サーベイランスで得られたデータを疫学的に解析し、Region IIIのイヌの狂犬病ウイルス保有率を明らかにする。

3-3.曝露後発症予防(PEP)レジメの最適化
3-3-1.Region III内のバランガイ単位での事例ベースの統合サーベイランスにより、センサスデータや狂犬病に対する教育プログラムの実施状況、動物咬傷後の対応(医療施設でのPEP実施状況やワクチンや免疫グロブリンを含む医薬品在庫管理、受傷者受診行動等)を調査、分析する。
3-3-2.活動3-3-1分析結果と活動3-1のイヌの狂犬病ウイルスに対する抗体価の分析結果の複合的な解析により、フィリピンの現状に則した現行PEPガイドラインの修正提案(最適化)を行う。

3-4.小児に対するワクチン集団接種(曝露前予防投与)および狂犬病予防対策に対する意識向上のためのモンテンルパにおける学校教育の効果が動物咬傷発生や費用対効果におよぼす影響に関する検証
3-4-1.RITMが実施する小児に対するワクチン集団接種および学校教育の影響を検証するための7~ 9才の小児に対するコホート調査に対して、臨床データの解析、費用対効果分析などの技術的支援を実施する。
3-4-2.RITMが実施する上記コホートを対象とした受動的および能動的サーベイランスによる真の動物咬傷後発生率の調査に対して技術的支援を実施する。

3-5.Region IIIの狂犬病に関する疫学および疾病対策情報と狂犬病ウイルスの遺伝子配列情報を組み合わせ、現在実施されている狂犬病対策の狂犬病ウイルスの伝播動態に及ぼす効果について評価する。

3-6.プロジェクトのパイロット市および郡を活用したワンヘルス・アプローチに基づく狂犬病予防・治療ネットワーク包括的現地研修プログラムの開発
3-6-1.Region IIIの狂犬病対策に従事する行政官および技術スタッフを対象として、プロジェクトのパイロット市および郡でのワンヘルス・アプローチに基づく狂犬病予防・治療ネットワークの実践に係わる現地研修を開発・実施する。
3-6-2.日本の地方衛生研究所専門家を対象に、Region IIIでの洞毛を用いたイヌ狂犬病診断法やワンヘルス・アプローチに関する現地研修を開発・実施する。
3-6-3.プロジェクトで得られた情報やエビデンスを踏まえ、効果的な狂犬病予防・治療のための住民教育資源を開発する。

3-7.成果1~3で得られた達成事項(新規診断法やサーベイランスシステム、PEPプロトコル改定案、その他の知見やエビデンス等)を包括的にとりまとめた「ワンヘルス・アプローチ狂犬病予防・治療ネットワークモデル」(案)を作成する。

3.前提条件・外部条件

(1)前提条件

本プロジェクトで行う各研究課題に対し、フィリピン国関係当局からの承認が得られている。

(2)外部条件(リスクコントロール)

<上位目標へ向けての外部条件>

フィリピンの開発政策における狂犬病予防対策の重要性が維持される。

<プロジェクト目標へ向けての外部条件>

1.フィリピン国実施機関が継続的にプロジェクト活動のための予算措置・人員配置を行う。
2.研修を受けたカウンターパートが成果達成に影響を及ぼすほど離職しない。
3.狂犬病対策法(共和国令第9482号)に基づいたイヌへのワクチンプログラムが対象地域で適切に実施される。
4.他の関係機関から、プロジェクト活動の実施に必要な協力が得られる。

4.評価結果

本事業はフィリピン国の開発政策、開発ニーズ、日本の援助政策と十分に合致しており、また計画の適切性が認められることから、実施の意義は高い。

5.過去の類似案件の教訓と本事業への活用

(1)類似案件の評価結果

フィリピン「レプトスピラ症の予防対策と診断技術の開発プロジェクト」において、研究プロジェクトの実施にあたっては、日本側と相手国側の研究者の関係が一定度醸成されていること、もしくは研究者間で十分な意思疎通ができる関係を構築することが共同研究の円滑な実施に貢献するという教訓が得られた。また、フィリピン「小児呼吸器感染症の病因解析・疫学に基づく予防・制御に関する研究プロジェクト」において、将来的な研究交流の発展維持のためにも、本邦への若手研究員受入れの積極的な活用は有用であるという教訓が得られた。

(2)本事業への教訓

  • 研究プロジェクトの実施にあたっては、日本側と相手国側の研究者の関係が一定度醸成されていること、もしくは研究者間で十分な意思疎通ができる関係を構築することが共同研究の円滑な実施に貢献すると考えられる。本プロジェクトでは、ワンヘルス・アプローチの視点から保健省と農業省の関係各機関の研究者を含む研究実施体制の構築と役割分担を図る予定である。
  • 本邦研修は、海外の研究環境にふれる良い機会であり、若手研究員のモチベーションの向上に大きく貢献した。将来的な研究交流の発展維持のためにも、本邦への若手研究員受入れの積極的な活用は有用である。本プロジェクトにおいても、研修員の受入による本邦での人材育成を計画している。

6.今後の評価計画

(1)今後の評価に用いる主な指標

2.(1)のとおり。

(2)今後の評価計画

事業終了3年後 事後評価

(3)実施中モニタリング計画

事業開始から6か月ごとに相手国実施機関と協同でMonitoring Sheetを作成する。

案件終了3か月前に相手国実施機関と協同で事業完了報告書を作成する。

7.広報計画

(1)当該案件の広報上の特徴(アピールポイント)

1)相手国にとっての特徴

2020年までに狂犬病排除を目標とするフィリピンの公衆衛生上の課題に対応するものであり、インパクトが大きい。

2)日本にとっての特徴

我が国の科学技術をもって、域内の公衆衛生危機への対応強化及び危機への予防・備えの推進を図るものである。

(2)広報計画

研究成果の発表に際しては、AMEDと共同でプレス発表を行う。