世界狂犬病デーのTikTokチャレンジ開催を支援

2021年9月29日

日本国内ではあまり知られていないかもしれませんが、9月28日は世界狂犬病デーということで、毎年世界各地で子供たち向けの教育イベントや狂犬病ワクチン接種キャンペーンなどが開催されています。ワンヘルスに基づいた狂犬病ネットワークモデルの導入が実施されているルソン島中部ブラカン州では、住民参加型の啓発イベントとして州政府獣医局と大分大学が共催でTikTokチャレンジを実施し、本プロジェクトの長期専門家や現地スタッフが企画と運営の支援を行いました。

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イベントのバナー

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ブラカン州知事の挨拶

狂犬病は予防可能な感染症であり、その最も効果的な対策がイヌへの定期的なワクチン接種です。接種率が集団の7割以上になると蔓延が抑えられるとされていますが、プロジェクトが2019年に行った住民調査では、その必要性が十分認識されていないことが明らかになりました。また当地では放し飼いのイヌが多いことも、イヌ間での狂犬病の流行が収束しない要因のひとつです。

そこでブラカン州政府獣医局とプロジェクトチームは、州内のペットの飼い主向けに、当地で急速に普及している動画作成・共有が手軽にできるスマートフォンのアプリのTikTokを使ってペットへの愛情を表現するビデオを作成し、専用のFacebookサイトへ投稿してもらうコンテストを企画しました。また募集要項には、狂犬病ワクチン接種奨励と放し飼いをしないというメッセージが盛り込まれていると評価ポイントが追加されることを記載しました。

愛犬家でもある州知事の呼びかけや当地で人気の日本人インフルエンサーのFumiyaさんの協力もあり、約3週間の募集期間で当初の予想を上回る77件の応募がありました。また上位入賞作品の発表はFacebookライブで配信され、その様子は3,000人を超えるFacebookユーザーに視聴されました。

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入賞作品1

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入賞作品2

住民自身が工夫して自分のペットや家族・地域を守るための狂犬病対策の行動を音楽にのせて楽しく描いたこれらの入賞作品は、今後同州での狂犬病予防の啓発活動に活用される予定です。

この他、Facebookライブでは、ブラカン州で導入を開始した狂犬病データ共有システム(RaDSS)や、プロジェクトが供与した狂犬病疑い犬用の捕獲網や観察檻の活用方法の紹介などを行いました。

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RaDSSの説明

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捕獲網と観察檻の紹介

今後も、プロジェクトは引き続きブラカン州での狂犬病データ共有システムや自治体での捕獲網や観察檻の活用促進を支援し、同州での狂犬病制圧に貢献するための活動に取り組んでいきます。