サンラザロ病院動物咬傷外来の診察待合表示システムの供与式が開催されました

2023年2月27日

2023年2月27日に、サンラザロ病院(San Lazaro Hospital、以下SLH)動物咬傷外来にプロジェクトが導入した診察待合表示システムの供与式が行われました。

【画像】待合表示システム供与式。ロペスSLH院長(右から5人目)、大分大学齊藤JICA専門家(右から4人目)、JICAフィリピン事務所清水川職員(左から2人目)および病院スタッフ

フィリピンでは狂犬病が蔓延しており、犬や猫に咬まれると発症予防治療(狂犬病ワクチンとグロブリン)を受ける必要があります。しかし、多くの地域では狂犬病ワクチンとグロブリンが不足しており、最寄りの医療機関では治療を受けることができないことが多々あります。

SLHは一日500~1,000人の治療を行うことができるフィリピンで最も大規模な動物咬傷外来であり、このような最寄りの医療機関で治療を受ける事ができなかった患者が毎日押し寄せてきます。なかには、半日以上かけて遠路はるばるやってくる患者もめずらしくありません。しかし、患者が治療を受けるためには長時間列に並んで待たないといけないことが課題でした。

【画像】以前のSLHの動物咬傷外来風景。外来の外に長蛇の列が連日みられた

この混雑緩和のため、プロジェクトはSLHの動物咬傷外来に診察待合表示システムを導入しました。これにより順番待ちの管理がスムーズに行われるようになり、患者は施設の外で長時間立ちっぱなしで順番を待つ必要がなくなりました。また病院側はタブレットで簡単な操作をするだけで、これまで順番の来た患者の呼び出しに費やしていた手間や時間を大幅に削減することが出来ました。

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新たに診察待合表示システムのモニターが設置された動物咬傷外来の待合室

さらに待合室に大型のモニターを新たに設置し、プロジェクトで作成した狂犬病教育動画(JAPOHR project“End of rabies with Fumiya(注)”)を配信し、狂犬病予防の啓発をする働きかけを行っています。

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プロジェクトで作成した狂犬病教育動画を待合室で配信

プロジェクトは診察待合表示システム導入を通して、狂犬病治療を求める患者が円滑に狂犬病予防治療を受けられるよう、医療機関の能力向上に貢献する取り組みを行っています。