指導員養成研修の代替となる遠隔補完研修の実施

2020年12月8日

本プロジェクトでは、2021年4月の新人向け基礎研修開始に向けて、指導員養成の来日研修を本年9月~12月に実施する予定でしたが、新型コロナウィルス感染症の拡大を受けて、今年度の来日研修の延期を余儀なくされました。

その状況の中でも現地では2021年4月から基礎研修開始を予定しており、研修指導員養成が必要であることに変わりはないことから、来日研修で予定していた内容のうち遠隔研修で対応可能な部分から実施することとしました。

遠隔補完研修は12月1日から開始し、2021年2月にかけて鉄道経営や安全といった共通科目のほか6分野(駅務、運転、車両、軌道・土木、電気、建築)計82コマの授業を実施する予定であり、実際の研修や現業における作業を詳細な写真や映像を用いることにより、実習でしか得られない面を補う工夫をしています。
研修に参加しているカウンターパートであるPRIの職員からは活発な質疑がなされるなど、意欲的に研修に取り組んでいる様子が感じられます。
遠隔補完研修に対するフィリピン側からの期待も高く、PRI職員に加え、遠隔研修の利点を活かし、フィリピン運輸省の鉄道建設プロジェクトマネジメントオフィスの職員や既存鉄道会社の職員、鉄道工学教育に現在または今後関わることを計画している大学、大学のカリキュラムの規制機関であるCommission on Higher Educationがオブザーバーとして参加しています。

フィリピンは、まだ日本人専門家が現地に戻って本格的に活動できる状況にはないことから、安全・安心な環境で鉄道人材育成が行われるよう、引き続きオンラインでの支援も行っていきます。

【画像】研修参加者の様子

【画像】日本での講義の様子