国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)参加

2015年12月13日

2015年11月30日〜12月13日

「気候変動対策のためのパプアニューギニア(PNG)森林資源情報管理システムの活用に関する能力向上プロジェクト」では、2015年11月30日から12月13日(2日延長)までフランス・パリで開催された国連気候変動枠組条約(以下、UNFCCC)第21回締約国会議(COP21)にプロジェクトのカウンターパート機関(PNG森林公社)から2名および日本人専門家チームから2名の合計4名が、PNG国の政府代表団のメンバーとして参加しました。

COP21で合意された「パリ協定」では、地球温暖化を抑制するため、産業革命前からの気温上昇を2.0度未満に抑える(また1.5度に抑える努力)目標が設定され、ほぼ全てのUNFCCCの条約締結国が参加するという点で、大きな成果となりました。REDD+についても、残されていた3つの課題(セーフガード情報の更なるガイダンス、非市場アプローチ、非炭素便益)について合意に至り、方法論的ガイダンスに関する議題は完結することとなり、法的な合意として明確に位置付けられることとなりました。

COP21では、資金関係についても議論され、「資金に関する常設委員会」における資金の検討、緑の気候基金(GCF)へのガイダンス、地球環境ファシリティ(GEF)へのガイダンス、に係る作業計画や報告が行われました。さらに市場メカニズムには我が国が推進する二国間クレジット制度(JCM:Joint Crediting Mechanism)も含まれる「協力アプローチ」による成果を活用しうることやそのガイダンスが今後検討されることが決定に盛り込まれました。

今回のCOP21では、会議の初日から150を超える国の首脳が参加したことは、会議の成功に向けて重要でしたが、ピーター・オニール首相に率いられたPNG政府代表団においても、気候変動・環境担当および森林担当の両大臣がREDD+に関して積極的な発言を行ったことは、PNGにおいても森林セクターが気候変動の「緩和策」として重要と認識されており、REDD+の進捗についても強い期待があることと関係しています。本プロジェクト専門家はPNG森林公社のカウンターパートに技術的インプットを行い、協議に貢献しました。

また、多国間交渉と並行して多くの技術的なソリューションの成果についても報告されました。ジャパンパビリオンで12月1日に行われたJICA-JAXA連携による熱帯林監視システム立ち上げイベントでは、PNG森林公社のREDD・気候変動課Gewa Gamoga課長が本プロジェクトの成果を報告するとともに、プロジェクトで明らかになった課題に基づき、ALOS-2/PALSAR-2の利活用に対する期待を述べ、イベントの成功に大きく貢献しました。

今回のCOP21の成果も受けて、PNG国内においても、REDD+の準備支援のみならず、REDD+の実施段階への支援も活発になると考えられ、その中心となる森林公社の能力向上を支援する本プロジェクトの役割は、ますます重要になると考えられます。本プロジェクトは今回のCOPサイドイベントで収集した情報や動向もインプットし、引き続き、他の開発パートナーとも協力してPNG国の持続的森林管理およびREDD+に貢献していく考えです。

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PNG政府代表団の協議の様子(方針説明)

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JICA-JAXA連携イベントでのC/Pの発表