プロジェクトパイロットサイト(西ニューブリテン州)における伐採事業モニタリングの実践について

2017年5月8日

2017年4月29日〜5月6日

2017年4月29日から5月6日に、西ニューブリテン州の伐採事業箇所へ出張してきました。プロジェクトでは、西ニューブリテン州及び西セピック州をパイロットサイトとして、民間業者が実施する伐採事業を対象としてプロジェクト活動に取り組んでいます。今回は、西ニューブリテン州の「Aria Vanu Blk2」という伐採事業箇所(図1)において、GPS(Global Positioning System)及びGIS (Geographic Information System)を活用したモニタリングを実践しました。

カウンターパート機関であるPNG森林公社は、森林法に基づき、民間業者が行っている伐採事業をモニタリングしています。昨年6月に開催した伐採事業のモニタリングの改善に関するワークショップでは、GPS及びGISを活用することにより、より効率的なモニタリングをできることがわかりました。その後、PNG森林公社の職員を対象として、GPS及びGISを有効に活用するための研修を開催してきましたが、今回の出張の目的は、職員が学んだGPS及びGISの使用方法を、伐採事業のモニタリングにおいて実際に活用することです。

首都のポートモレスビーから、飛行機、車、更にはモーターボートを乗り継いで現地入りを果たしました。5月1日から2日にかけては、伐採事業者が作った土場(丸太の集積場)や林道等の写真撮影をしたほか、GPSによる位置情報の取得や面積計測等を行いました。翌5月3日は、GPSで取得したデータとGISを活用して、現地で行ったモニタリングの内容をレポートに取りまとめました。現地では、職員は容易にGPSを使いこなしており、これまでプロジェクトで行ってきた研修の成果を確認できました。GISについては、もう少し練習の必要性を感じさせましたが、レポートの作成を進めるにつれ、職員は徐々に習熟度を高めている様子でした。

5月4日は伐採事業箇所から西ニューブリテン州の州都であるキンベ市まで移動し、翌5月5日は、作成したレポートの有用性を確認するため、地域森林事務所の幹部も含めて、現地職員と打合せを行いました。打合せでは、作成したレポートを職員がプレゼンテーション形式で説明し、活発な意見が交わされました。また、レポートについては1)職員の日常業務における説明責任の向上、2)伐採業者の法令順守状況の確認、3)伐採事業の透明性の確保、という点で有用だという意見が出されました。

今後は、もうひとつのパイロットサイトである西セピック州においてもGPS及びGISを活用した伐採事業のモニタリングを実践する予定です。

【画像】今回訪れたパイロットサイト(赤丸の位置)

現地で撮影した写真等

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伐採現場でのモニタリングの様子

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伐採現場でのモニタリングの様子

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専門家及びカウンターパートの打合せ風景

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専門家及びカウンターパートの打合せ風景

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モニタリングレポート作成風景

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モニタリングレポート作成風景

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モニタリングレポートのプレゼン風景

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参加者の集合写真