ジェンダーワークショップ

2020年11月24日

プロジェクトでは、パプアニューギニア国がEITI遵守国として認証を得られるよう、同国のEITI事務局を通じて、広報活動の支援や報告機関の能力強化を支援しています。

EITI国際事務局は、認証要件である『EITI基準』を2019年に改訂しました。今回の大きな改訂点の一つが、「ジェンダー」に関する基準の追加です。パプアニューギニア国に限らず、採取産業においては伝統的に女性による参加が限られている場合が多くありますが、ジェンダー平等を推進しながら、女性の積極的な参加を促すと同時に女性に対するリスクを取り除くことで、資源開発からの雇用機会や恩恵をより幅広く享受し、持続的な成長につなげることが期待されています。

プロジェクトチームは、改訂された『EITI基準』のジェンダーに関する項目について、現状、課題や問題点、解決策などを話し合うため、EITI事務局やマルチステークホルダーグループ(MSG)、同国内で女性のエンパワメントに携わる市民団体の方々を招待し、オンラインでワークショップを行いました。

ジェンダーに関する項目は、1)EITI国内決定組織であるMSGのジェンダーバランスの検討;2)採取企業の男女雇用数の報告;3)ジェンダー視点で情報アクセスを検討;4)EITIのジェンダー平等・社会包摂に向けた取組の記録と報告の4項目となります。(図1)

ワークショップでは、オンラインツールを活用し、EITIジェンダー4項目をそれぞれ話し合った後、参加者に、付箋を使用する要領で、各自意見をオンラインで記入し合いながら、活発な意見交換が行われました。(図2)一部ですが、次のような意見や提案が共有されました。

・MSGで男女を対象としたジェンダーに関する意識向上のための研修をしては?
・MSGの結成協定書(MOU)を見直し、女性の参加を明記しては?
・採掘場所の受益者のコミュニティーの代表に男性リーダーのみしか見られない。契約書にはコミュニティーのコンセンサスが必要とされているが、実際は女性が参加するべきでは?
・土地所有者の組合に女性の声やニーズを反映させるべきでは?
・採掘サイト周辺地域で、性暴力やセクハラに関する報告・対処をするリファーラルメカニズムが必要では?企業の責任と役割を周知しては?
・ジェンダーに関する意識向上のための広報・研修を実施しては?
・政府関係者や政治家、メディアとも積極的にコミュニケーションを働きかけては?

今回のワークショップでは、あらためて関係機関の連携強化の必要性が認識されました。プロジェクトでは、今後もジェンダー視点を取り入れて、EITI事務局を通じた広報や啓発活動の支援を行っていきます。

【画像】図1. EITI基準2019のジェンダーに関する4項目

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図2. オンラインツールによる参加者のアイディア出し