2019年度PNGEITI報告書 広報強化月間

2021年8月23日

プロジェクトでは、パプアニューギニア国(PNG)が加盟している「採取産業透明性イニシアティブ」(EITI)の基準に遵守し、資源収入のガバナンスや透明性が向上するよう、同国のEITI事務局を通じて、広報活動や報告機関の能力強化を支援しています。

EITIの加盟国は、EITIが定めた基準に則り、各年度の資源収入の金額や明細などの情報公開が求められています。PNG国も、2021年7月30日に、2019年度のEITI報告書を正式に公開しました。

昨年から引き続きコロナ禍の渡航制約がある中、同報告書の作成を支援するため、JICA専門家はオンライン会議を活用して、同国の政府機関や採取企業などの報告を行う機関に対して、2019年度の報告書から適用されるEITIの新たな基準に関する研修を行うなど、遠隔で報告機関に対する助言などを行ってきました。また、同国でもコロナ感染症対策が取られ、テレワークを行う政府機関や採取企業もある中、新たなEITI基準への対応もあり、2019年度の報告書は、例年以上に時間をかけて作成されました。そのため、同報告書は例年より約半年遅れての発表となりました。

プロジェクトでは、同報告書公開直後の8月を広報強化月間として、PNGEITIによるソーシャルメディア(LinkedIn, Facebook, Instagram, Twitter)を通じた啓発キャンペーンの実施を支援しています。約3週間にわたり、一般市民のEITIや報告書の内容に対する理解と関心の向上を目的に、報告書の要約をテーマごとに図表などを活用して分かり易く投稿しています。

第一回目の投稿では、EITIの基本的な情報や報告書の目次を紹介するとともに、市民の方々のEITIの周知度についてSNS上で統計を取りました。その結果、PNGEITIの活動をよく知っていると回答した人が8%、少ししか知らないと答えた人が58%、全く知らないと回答した人が33%でした。すべての投稿を終えた1ヶ月後に同様の調査を行い、EITIや報告書に対する人々の知識の変化を可視化することで、理解の向上が示されることが期待されます。