プロジェクトニュース第1号

2023年4月26日

「森林伐採モニタリングシステム改善を通じた商業伐採による森林劣化に由来する排出削減プロジェクト」は、基本計画策定調査を踏まえ、2022年4月より開始され、2022年5月に開催された第1回合同調整委員会(JCC)会議では、本プロジェクトの詳細計画策定調査計画及び活動概要等が承認されました。また、2022年10月に開催された第2回JCC会議では、詳細計画策定調査結果(PDM:Project Design Matrix(プロジェクト設計図)、パイロットサイト等)及び本格実施フェーズにおける具体的な活動計画が承認され、本格的な活動が開始されました。。

上記の流れを受け、2023年3月16日、PNG国の首都ポートモレスビーにおいて、第3回JCC会議を開催しました。本会議には、PNG森林公社(カウンターパート機関)、国際連合食糧農業機関(FAO)、計画投資省(DNPM)、JICA本部及びPNG事務所の関係者と、本プロジェクトの日本人専門家、合計26名が参加しました。

本会議においては、冒頭、議長を務めたPNG森林公社のダンビス・カイプ総裁代理(プロジェクトディレクター)から、1年目の進捗の確認をすると共に、2年目の活動であるPNG森林公社職員を対象とした計画・監視・管理手順(Planning, Monitoring and Control Procedure(PMCP))と伐採規範(Logging Code of Practice(LCoP))に関する研修等について関係者と議論することは有意義であると述べられました。その後、共同議長であるJICA PNG事務所の横田隆浩所長代理(JICA PNG事務所次長)からは、本会議は、PNGの気候変動に関わるプロジェクト目標達成に向けた重要な議論の場であることが表明されました。

続いて、岡林正人長期専門家(チーフアドバイザー)より2年目の主要な活動となる1)カウンターパート国別研修、2)PNGFA職員を対象としたPMCP及びLCoPを普及させるための研修の内容を含むプロジェクト全体の進捗及び活動計画について報告されました。カイプ氏からは、1)に関して、日本で先進的技術による伐採作業を5名の研修生(PNG森林公社職員)が学ぶ意義は大きく、帰国後の他のPNG森林公社職員への普及も期待できると述べられました。

その後、ジョン・オラビ氏(プロジェクトマネージャー)からは、パイロット活動の進捗と活動計画が示され、1)森林回復に関わる対象樹種や苗畑造成のための情報収集結果、2)各パイロット活動の詳細についても述べられました。ゲワ・ガモガ氏(副プロジェクトマネージャー)からは、1)に関して、プロジェクト期間中に苗畑造成の効果的な手法を開発し、PNGの持続可能な森林回復の促進に貢献すべきとの意見が述べられました。

次に、小出隆広短期専門家(チームリーダー)より、短期専門家(技術)チームの進捗と活動計画が述べられ、特に、1)PNG-FRIMS(PNG Forest Resource Information Management System)及びモバイル機器、ドローンを活用した現場モニタリング、2)森林回復支援活動の実施、3)現場炭素モニタリング手順について説明されました。横田次長からは、持続可能な開発のためにPNG森林公社職員自らが問題解決できるよう、今後も専門家から助言していくことの必要性について言及されました。
最後に、ライヤル・ウンボ氏(事業部ディレクター)から、本会議の発表者3名への謝辞及び今後のプロジェクト活動に対する大きな期待が表明され、第3回JCC会議は閉幕しました。

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会議の様子

【画像】会議後の集合写真