水衛生公社の地方給水・衛生局職員に対するトレーニングの実施

2017年3月9日

2016年の12月から2017年の3月にわたり、本プロジェクトのカウンターパート機関であるWASAC RWSS(水衛生公社の地方給水・衛生局)の職員に対して、能力向上トレーニングを実施しました。
RWSS職員には、地方給水施設の所有者である郡や、郡との委託契約に基づき給水施設の維持管理を担う民間の給水事業者に対して技術的サポートを行う役割があります。そのため、本トレーニングはRWSS職員が地方給水の維持管理に係る専門的な技術や知識を習得し、さらに関係者に指導するための能力を強化することを目的に実施されました。多忙な日常業務を抱えながらも多くのカウンターパートが研修に参加し、研修中は活発な議論が参加者間で交わされ、多くの質疑がされるなどカウンターパートの積極的な参加姿勢がみられました。
今後、トレーニングを受講したカウンターパート職員が郡および給水事業体に対して能力強化トレーニングを実施していく予定です。

1. 研修項目

No. 研修項目
1. ハンドポンプおよび井戸維持管理(座学)
2. 水質管理
3. データマネジメント(MS Accessの基礎)
4. 環境影響評価
5. パイプ給水システム別維持管理マニュアル作成
6. 問題分析・目的分析およびファシリテーション手法
7. ハンドポンプおよび井戸維持管理(現場トレーニング)

2. 研修概要

(1)ハンドポンプおよび井戸維持管理(座学)

期間:2016年12月14日、15日(2日間)
参加人数:9名
研修目的:新規開発された研修モジュール「ハンドポンプ付井戸の維持管理」の理解
期待する成果:1)アフリデブとインディアマークIIのポンプの構造および特性について説明できる、2)井戸性能低下の原因とその対策について説明できる

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ハンドポンプ井戸に関する理論を説明する状況

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ポンプシリンダーを使用した揚水実験の状況

(2)水質管理

期間:2016年12月20日〜22日(3日間)
参加人数:13名
研修目的:新規開発された研修モジュール「水質管理」の理解
期待する成果:1)RWSS職員が郡および給水事業体向けに水質管理の研修を講師として実施できる、2)水質管理にかかる一般知識だけでなく、給水事業体職員が水質管理で実施しなければならない具体的な作業(特に以下4作業)を習得する
・サンプリング水の採取の仕方
・残留塩素計の使い方
・次亜塩素酸カルシウム粉末を溶解して、所定の濃度の次亜塩素酸溶液を調製するやり方
・調製した次亜塩素酸溶液を使って、塩素剤の添加量の求め方

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実習(塩素剤添加量の求め方)の状況

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実習(残留塩素計の使い方)の状況

(3)データマネジメント(MS Accessの基礎)

期間:2017年2月6日、7日(2日間)
参加人数:11名
研修目的:1)RWSスタッフのデータマネジメント能力の向上、2)既存データの整理
期待する成果:RWSSスタッフのデータマネジメント能力が向上し、その結果、郡および給水事業体へ適切な指導ができる。

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RWSS局長による研修開催のあいさつ

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研修評価アンケートへの記入

(4)環境影響評価研修

期間:2017年2月20日(半日間)
参加人数:13名
研修目的:1)環境影響評価(EIA)の概要、目的、プロセスを理解する、2)地方給水プロジェクトによる環境・社会面への影響に対して共通認識を図る
期待する成果:1)ルワンダで適用されている環境影響評価のプロセス及び各ステークホルダーの役割が理解される、2)環境影響評価プロセスにおけるWASACの役割と立ち位置が理解される、3)地方給水プロジェクトよる影響を、環境・社会・文化・衛生的な観点から特定することができる

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RWSS局長による開催あいさつの状況

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グループディスカションの状況

(5)パイプ給水システム別維持管理マニュアル作成

期間:2017年2月23日(1日間)
参加人数:2名
研修目的:給水システムごとに維持管理マニュアルを作成する方法を郡および給水事業体に指導するための能力を身に付ける
期待する成果:RWSSスタッフが郡および給水事業体に対してマニュアル作成の指導ができる

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作成方法を指導している状況

(6)問題分析・目的分析およびファシリテーション手法

期間:2017年3月6日(1日間)
参加人数:15名
研修目的:1)問題分析および目的分析能力を向上する、2)参加型手法の基本的な姿勢・考え方を養う
期待する成果:1)RWSS職員が問題分析・目的分析の手法を習得し、今後、郡職員や住民が直面する問題を解決する上で、論理的思考に基づいたサポートができるようになる、2)RWSS職員が参加型手法の基本的な姿勢や考え方を理解し、住民やプロジェクト関係者のエンパワーに必要な能力に関しての自身の課題、能力強化ニーズについて気付く

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参加者が目的分析の演習をする状況

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参加者が演習の発表をする状況

(7)ハンドポンプおよび井戸維持管理(現場トレーニング)

期間:2017年3月7日〜9日(3日間)
参加人数:5名
研修目的:ハンドポンプおよび井戸の維持管理・修理技術を身に付ける
期待する成果:RWSS職員がハンドポンプの維持管理・修理技術を身に付け、郡および給水事業体への適切な指導ができる

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AFRIDEV揚水管の再設置作業の状況

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India Mark II揚水管引上げ作業の状況