ルワンダ国灌漑水管理能力向上プロジェクト(WAMCAB)が始動しました

2019年8月5日

2019年7月

インターネットを利用したICTや観光を基盤に、「アフリカの奇跡」と呼ばれ目覚ましく成長を続けるルワンダですが、「千の丘の国」と呼ばれるなだらかな地形を生かしたコーヒーなどの農業でも頑張っています。
しかし、雨に頼った営農が主体であり、水稲や穀物、園芸作物の栽培のために灌漑施設を整備し、天水依存型農業から脱却することが重要な開発優先課題の一つとして位置付けられています。整備された灌漑スキームの運営は、政府から灌漑水利組合(Irrigation Water Users Organization:IWUO)に移管することとされていますが、制度の整備が不十分で、政府側・IWUO側ともに能力が追い付いていないのが現状です。
このため、ルワンダ政府の要請に基づいて、国際協力機構(Japan International Cooperation Agency:JICA)は、ルワンダ農業庁(Rwanda Agriculture and Animal Resources Development Board:RAB)を実施機関とした灌漑水管理能力向上プロジェクトを実施することとし、2019年4月に現地での活動が開始されました。

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JICAチームがルワンダに到着してから約1カ月が過ぎた5月8日に、プロジェクト運営の基本事項を議論する合同調整委員会(Joint Coordinating Commitee:JCC)の第一回会議が首都キガリで開催されました。

この場で、2024年まで続く5年間のプロジェクトの枠組みが承認され、東部県のルワマガナ郡とンゴマ郡、南部県のギサガラ郡の3カ所をモデル地区として、IWUOや灌漑水管理に関係する行政機関の能力向上を目指していくことが決定されました。また、プロジェクトの正式名称は「Project for Water Management and Capacity Building in the Republic of Rwanda」ですが、頭文字を取って「WAMCAB」という愛称で呼ぶことになりました。

プロジェクトの目標は「モデル地区においてIWUOによるスキーム管理能力が向上する」であり、以下の5つの成果を実現することを通じて達成することとしています。
1.IWUOへの灌漑管理移管の仕組みを明確化する
2.モデル地区におけるIWUOの組織強化が図られる
3.モデル地区における維持管理が適正に行われる
4.モデル地区における水管理が適正に行われる
5.モデル地区における営農活動が促進される

WAMCABはJICAの支援によってRABが実施するルワンダ国のプロジェクトです。そのため、ルワンダ国内の関係機関(RABの本部とステーション事務所及び郡庁)からなるタスクフォースが実施主体として組織されました。我々日本側専門家とルワンダ側専門家で構成されるJICAチームが全力でサポートしていきます。

このプロジェクトニュースは、プロジェクトの活動を、関係するスタッフが折に触れ交代でお伝えしていく予定です。
皆様、5年後にどのような素晴らしい成果を報告できるか、楽しみにお待ちください。

(WAMCAB専門家:総括/灌漑スキーム運営1 國安 法夫)

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第1回JCCでの白熱した議論

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RAB総局長(中央)とJICAチーム