対象3郡において営農分野に係るプレ研修、IWUOの再構築、DISCの開催を支援しました

2020年2月12日

これまで実施したベースライン調査結果や関係機関との協議を踏まえ、予定していたカスケード式の研修実施体制を見直し、郡行政の関与をモニタリング・評価等に特化させる新しい実施体制を試行する目的で、2月10日~12日にプロジェクト対象3郡(ルワマガナ、ンゴマ、ギサガラ)のモデル地区において、灌漑水利組合(IWUO)と農協の代表を対象に、営農分野に係るプレ研修を実施しました。

新しい研修実施体制では、研修の初期段階から受益者(IWUOメンバー)の巻き込みを図ります。また、プレ研修の前後には郡レベルのタスクフォースメンバーと研修内容・実施体制に係る評価と協議を行い、その結果、以下の内容について共通の認識が得られました。

・新たに提案した研修実施体制は、プレ研修において一定の成果が得られており、現実的かつ効果的な体制である
・一方、郡行政の巻き込みについては、郡の予算確保が必要となる。

今後も3郡以外への普及を見据え、郡行政のモニタリング・評価への巻き込みを図るとともに、研修活動での協働方法も継続して検討することとします。

また、2月中旬から3月上旬にかけて、ンゴマ郡モデル地区の低湿地及び丘陵地においてIWUOの再構築支援を実施しました。まず、事前準備としてNgoma22スキームとMwanbuスキームにおける水利用者リスト、灌漑施設マップ等の必要情報の整理を行いました。その後、各スキームの受益者に対しIWUOの組織体制と設立の手順について説明し、複数回のワークショップを通じて、農家レベルから段階的にIWUOの再構築を行いました。再構築の手順は以下のとおりです。

1. 低湿地において、分水施設ごとにIrrigation Unitを整理し、それぞれで持ち回り担当者(Seasonal Water Dsitributer)を決定
2. 低湿地は幹線水路の堰ごと、丘陵地は5つの二次水路ごとにWater Users Teamを組織し、選挙によりそれぞれ1名の代表者を選出
3. 低湿地は2つの堰ごと、丘陵地は幹線水路ごとにZonal Committeeを組織し、選挙によりそれぞれ2名の代表者を選出
4. 丘陵地と低湿地において、Scheme Management Committeeを組織し、選挙によりそれぞれ3名の代表責任者を選定
5. ンゴマ郡副郡長同席のもと、2月27日に丘陵地・低湿地の合同ワークショップを開催し、選挙によりIWUOの11名の代表者を選出

さらに、これまで十分に組織化されていなかった郡灌漑運営委員会(DISC)について、対象郡における開催支援を行いました。その結果、副郡長の指揮の下、ンゴマ、ルワマガナ、ギサガラの3郡において、それぞれ2月5日、2月7日、3月3日にDISCが開催され、RABからDISCの責任・役割について説明を行いました。また、ルワンダ灌漑水管理能力向上プロジェクト(WAMCAB)チームも招待を受け、ンゴマ郡モデル地区において実施した農家レベルから段階的にIWUOを構築していくボトムアップ式の組織設立体制についても説明を行いました。さらに、農業動物資源省の省令に基づき、副郡長をDISC議長とし、DISCの副議長と書記が選挙により決定しました。

(灌漑水利組織 シェムス ケマル アンデタ)
(営農 仙道 昭平)