持続可能な灌漑開発に向けた戦略作成支援のために、灌漑調査を行っています!

2021年12月10日

現在、ルワンダ政府は持続可能な灌漑モデルの策定を目的として、灌漑戦略の見直しを進めています。しかしながら、必要な灌漑施設・維持管理の目録(インベントリー)は十分に整理されておらず、特に現場レベルでの灌漑スキームの運営・維持管理(O&M)に関するデータ収集・分析が必要です。
本プロジェクト(WAMCAB)では、対象3郡(ルワマガナ、ンゴマ、ギサガラ)のモデル地区において、灌漑水利組合(IWUO)による持続的な灌漑スキームの管理手法を試行中です。対象地域外の灌漑スキームでも情報収集・分析を行うことは、WAMCABで確立する管理手法の全国的な普及・展開や政策への提言に貢献すると考えられます。そこで、上述のルワンダ政府の意向を踏まえ、WAMCABの活動において代表的な灌漑スキームの調査を行い、灌漑施設・維持管理のインベントリーづくりを支援することとなりました。

2021年11月下旬からWAMCABでは、灌漑スキームとして開発・改修可能な全国約1,000地区の内、モデル地区を含めた30地区の既存情報の収集と現地調査を実施中です。既存情報収集としては、O&Mマニュアルやフィージビリティスタディ(F/S)報告書を基にデータを整理し、基礎情報をとりまとめています。また、現地調査では、各灌漑地区のIWUO、農協、灌漑施設の調査を南部県、東部県にて実施しています。これにより、各灌漑スキームにおける灌漑施設の維持管理状況や水利費徴収の実態把握及び分析方法についての提言をまとめる予定です。また、残りの地区に関しても、WAMCABが実施中の30地区を対象とした本調査をサンプル事例として、農業・動物資源省(MINAGRI)による調査が追加継続されることが期待されています。

この灌漑調査と分析を通じて、新しい灌漑戦略への貢献という形で、WAMCABの経験が中央政府により広く共有され、全国的に展開されることが見込まれます。また、ルワンダ全土の灌漑水管理能力の向上により、灌漑農家への広い裨益が期待されます!

(JICA職員:経済開発部(ルワンダ事務所) 山口 集)

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タブレットを用いた現地調査の準備を行う様子