技術指導フェーズの延長期間が始まり、プロジェクト成果の全国的な普及を見据え、各地区での改善活動・研修活動が一層本格化しています

2022年6月24日

WAMCABは当初、1年間の「調査・計画フェーズ」、2年間の「技術指導フェーズ」、2年間の「制度化・普及準備フェーズ」という構成で進める予定でしたが、COVID-19に起因する現地活動の制限や一部進捗の遅れに伴い、「技術指導フェーズ」が1年間延長され、トータルで6年間取り組むこととなりました。プロジェクトは現在ちょうど折り返し地点にあたります。2022年4月以降の「技術指導フェーズ」の延長期間では、対面での協議・活動を促進し、遅れが生じた活動を再開していきます。また、2023年4月から開始される「制度化・普及準備フェーズ」では、ルワンダ側主体の技術普及や、アクションプランの策定などを支援する予定です。

5月27日に第7回合同調整委員会(JCC)会議、6月3日に第13回タスクフォース(TF)会議を開催しました。JCC会議では、関係者間で過去約半年間の活動を振り返り、ワーク・プランに基づき今後3年間の活動方針を確認しました。TF会議では、ワーク・プランをより詳細に共有し、技術普及に向けてTFメンバーとともに作成する文書について話し合いました。

今回OJTとしてプロジェクトに参加した筆者は、5月下旬から6月上旬にかけて、カウンターパートとともに、各対象郡の行政機関との進捗協議及びモデル地区の状況確認を行いました。ギサガラ郡では、農家参加型で建設した夜間貯留灌漑施設の利用が開始されており、今後関連機関と協力しながら、農家主体で数を増やしたいと聞いています。プロジェクトが開始した2019年以来、ンゴマ郡では初となる郡灌漑運営委員会(DISC)(水利組合や農協の職員、郡より小さい行政区分であるセクターの農業職員などが参加し、灌漑について郡全体で協議する場)が開催され、WAMCABからもメンバーが出席しました。今後回数を重ねるとともに、内容を充実させるサポートをしていく予定です。ルワマガナ郡では、灌漑水利組合(IWUO)の連合体設立を視野に入れた郡内のIWUOと農協で組織される調整委員会の設置、郡やセクター職員も参加する現場モニタリング等、対象郡の中でも郡主導による先進的な取り組みが見られます。行政機関とは、今後も各地域の現状やプロジェクトの活動内容について議論し、協力関係の強化を図っていきます。

また、WAMCABが支援を担うことになった、MINAGRIが提唱する灌漑戦略計画の作成に向けた準備も進めています。現在、基礎情報となる灌漑スキームやDISCの活動状況についての調査、現地コンサルタントとの内容のすり合わせを行っています。WAMCABから提案する灌漑管理モデルや灌漑管理移管の仕組み、支援体制についての改善案を組み込んでいくことで、WAMCABの成果がルワンダ全体へと普及・展開していくことが期待されます。

(WAMCAB OJT 三島はるか)

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現地視察の様子

【画像】郡庁訪問の様子