RVT事務局会合及びプロジェクト最終合同調整委員会の開催

2019年1月30日

2019年1月28日から30日:セネガル国ダカール市

2014年11月に開始された「保健人材広域ネットワーク強化プロジェクト」も、事業終了まで残り2か月となりました。2019年2月24日にはセネガル国大領領選挙が予定されており、その前後での政治的な混乱や治安上のリスクを避けるため、少々時期が早いものの、2019年1月29日にダカール市にて最終合同調整委員会(JCC)を開催。合わせて、1月28日~30日までRVT事務局会合を開催しました。

前回のJCCでは、RVT事務局長がセネガル国保健社会活動省人材局長であったこともあり、セネガルのRVT関係者のみの参加でしたが、『最終JCCではRVT事務局メンバー合同でプロジェクト評価を行いたい』という要望がRVT側から挙がったため、今回は他国からもRVT事務局メンバーを招聘することになりました。

1.RVT事務局会合(1月28日~30日、於JICAセネガル事務所会議室)

今回は、昨年9月の総会にて選出された新RVT事務局メンバーとして、事務局長(トーゴ国保健省人材局長)、渉外担当(ブルキナファソ国保健省保健サービス検査官)、総務担当(ニジェール国保健省人材局長)、財務担当(ブルンジ国保健省人材局長)の計4名をダカールに招聘し、事務局会合(1月28日~30日)を開催しました。

事務局会合では、1)2019~2023年5か年計画の最終化、2)新規ドナー獲得のためのRVT戦略文書作成、3)事業完了報告書素案作成、4)最終JCC準備、5)プロジェクト終了後の事務局体制確認を主なトピックとして議論しました。

最終日(1月30日)にはAmref Health Africa(注1)のスタッフが来られ、保健人材を対象とする「リーダーシップ、マネージメント、ガバナンス」のE-Learningコースの仏語圏アフリカでの展開(注2)に関する説明と協力依頼がありました。RVTは仏語圏アフリカ13か国にネットワークを構築しているため、今後、当該E-Learningコース導入に向けたRVT加盟国の保健省との調整・交渉の面で協力していく予定です。

(注1)JICAケニア事務所が実施中の技術協力プロジェクト「アフリカ保健システム強化パートナーシッププロジェクト フェーズ2(Partnership for Health Systems Strengthening in Africa Phase 2(PHSSA2))」の実施機関。ナイロビに本部を置くNGOで、セネガルには西アフリカ地域事務所がある。

(注2)PHSSA2の活動内容の一つ。

2.最終JCC(1月29日、於 セネガル保健社会活動省官房会議室)

本プロジェクトの最終JCCには、RVT事務局メンバーの他、保健社会活動省人材局、大統領府技術協力課、日本国大使館、国立国際医療研究センター(NCGM)、JICA関係者等の出席がありました。

まず前回のJCC議事録確認を行い、続いて前回のJCCから現在までの活動報告、指標達成状況、DAC5項目評価を含む事業完了報告書案の紹介がRVT事務局メンバーから行われました。RVT事務局長からは、各国保健省や保健人材分野関係者間でRVTの認知度が高まっているという点が強調されました。また、同事務局長から、現在RVTの正式名称がRéseau Vision Tokyo 2010(直訳「東京ビジョンネットワーク2010」)となっており、日本以外のドナーからの支援を得にくいため、今後団体名をより一般的なものに変更(注3)し、様々なドナーからの協力を得やすくしていくと発表されました。

NCGM永井国際連携専門職からは、2018年9月の総会で合意した、RVT次期5か年計画の研究分野への支援準備の進捗が共有されました。RVTがNCGMに支援を求めた研究は、コンピテンシーに基づく卒前教育を受けた看護師が、従来の教育を受けた看護師に比べ、医療施設でコンピテンシー(能力)をより発揮できているかを評価することです。NCGMは、この調査をセネガルとコンゴ民主共和国で実施するための研究資金獲得を目指し、審査結果を待っているところです。また、NCGM永井国際連携専門職からは、「RVTを構成する各国の保健省人材局が、自分たちの保健省を通してグローバルファンドの保健システム強化資金を獲得し、それをRVTの活動に使用できる可能性はある」、とアイディア共有がなされました。

JCCの最後には、JICAセネガル事務所の加藤次長から、「本プロジェクトは2019年3月末に終了となるが、今後2年間についても小規模ながらも活動支援を継続する」との表明がありました。

(注3)Réseau des Gétionnaires des Ressources Humaines en Santé(RGRHS)への名称変更手続き中(2019年1月30日現在)。

文責:専門家(業務調整)岡安利治

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RVT事務局会合

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JCC(左からセネガル保健省人材局長ジュフ氏、RVT事務局長カジャンタ氏、セネガル事務所加藤次長)