保健開発委員会に対するスーパービジョンを実施しました

2019年10月21日

保健開発委員会(Comités de Développement sanitaire:CDS)は、保健センターや保健ポストごとに設置され、コミュニティから選出されたメンバーで構成される委員会です。前組織となる保健委員会(Comités de santé)の機能をより改善するために、2018年1月5日に発行された政令によって、全国に導入されました。CDSには、9つのミッションがあり、コミュニティにおける質の高い保健サービスの提供に重要な役割を担っています。

【保健開発委員会(CDS)のミッション】
・個人、家族、コミュニティの健康促進
・地域住民の健康問題の特定やその解決策のため、人々の参加を促進
・ヘルスプロモーションのために地域住民を動員
・保健サービス・デリバリーの質改善
・社会行動サービス事務所と連携して、社会的弱者の保健サービスへのアクセス改善促進
・地方自治体、開発パートナー、その他パートナーに対して保健財政(保健活動への予算付け)への支援を要請
・保健センター、保健ポストおよび同レベルの保健医療施設に対する国や地方自治体のマネジメント支援
・保健共済組合を通じたコミュニティ健康保険(mutual health insurance)を促進
・リソースの明瞭な管理運営体制

PARSS2は、OGRIS(リソース・保健情報管理ツール)やPTA/DPPD(年間活動計画/多年度支出計画文書)といったコンポーネントをとおして、CDSの運用能力強化の活動を支援しています。例えば、CDSは、年次計画となる「CDS活動計画(Plan d’Action des Comités de Développement Sanitaires:PACDS)」策定しますが、これは、保健区が作成する年間計画(Plan de Travail Annuel:PTA)や地方自治体年次保健計画(Plan opérationnel des Collectivités Territoriales-Santé et Action:POCT-SAS)の元となる重要な計画であることから、PTA/DPPDコンポーネントではPACDS策定に必要となる計画策定ガイドラインの開発を行っています。また、OGRISコンポーネントをとおして、CDSの薬剤・人材管理および計画活動の実施能力の強化支援を行っています。

2018年1月以降、全国の保健センターや保健ポストにCDSが設置された後、CDSに関する研修が行われました。プロジェクトでは、PTA/DPPDコンポーネントの対象州であるカオラック州とファティック州にて、研修後のCDS運営の状況や計画策定に関する現状と課題を把握することを目的にスーパービジョンを実施しました。

スーパービジョンでは、州知事、郡長、市長などのコミュニティ代表者、保健施設の責任者、CDSメンバーを訪問し、大きく7項目((1)基本文書・行政文書の有無、(2)CDSを構成する機関の定例会議の開催、(3)報告書や会議議事録の有無、(4)人材管理、(5)機材管理、(6)会計財務管理、(7)CDS活動計画の策定)について確認しました。2州とも最終日には、州知事が議長となり、コミュニティの代表者、保健施設の責任者、CDSメンバーを招いて、スーパービジョンの結果を共有する会合を行いました。CDSに関わる全ての人々の強固なコミットメントの必要性、CDS運営のためのマニュアルの順守、CDS活動計画策定のための支援の必要性、CDSの運営能力強化のために継続的モニタリングの重要性などが協議され、今後のCDS強化のために有益な機会となりました。

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保健ポスト長へのスーパービジョン(ファティック州)

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CDSメンバーへのスーパービジョン(カオラック州)

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CDSが建てた患者待合室(ファティック州)

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結果共有会合(ファティック州)

【画像】結果共有会合後の集合写真(カオラック州)