2021年度 一年間の活動のまとめ

2022年2月28日

2021年3月:長期専門家の帰任;森林情報管理ツール・オンライン研修を実施

2021年3月2日、コロナ禍で退避一時帰国していた長期専門家2名が森林研究省のプロジェクト事務所に帰任しました(注1)。一方短期専門家チームは、森林情報管理ツールを活用したパイロットサイト・モニタリング手法のオンライン研修を実施し、森林研究省へ新しい技術を提案しました。ファラケ及びコムニボリのパイロットサイトではプロジェクトスタッフによりアグロフォレストリーと生計向上策(養豚)活動のフォローアップが行われました。
(注1)本プロジェクトは、ソロモンに長期に滞在して業務を行なう2名の長期専門家と、我が国に滞在しソロモンに短期に出張して業務を行なう複数名の短期専門家チームで構成されています。

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長期専門家帰任時のプロジェクトスタッフミーティング

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森林情報管理ツールのオンライン研修の一コマ

2021年4月:第7回JCC、及び非木材林産物セミナーを開催

第7回JCC(合同調整委員会)を開催し、プロジェクト活動の進捗状況と今後の活動予定を確認しました。約1年ぶりの国内出張となる長期専門家と共に、プロジェクトスタッフ・TSC(技術支援委員会)メンバーがコムニボリパイロットサイトを訪れ、森林管理活動支援、害虫駆除対策などのアグロフォレストリー活動、生計向上策(養豚)活動のフォローアップを実施しました。またソロモン諸島商工会議所と合同で非木材林産物セミナーを開催しソロモン国内からの注目を集めました。

【画像】第7回JCCの様子

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害虫駆除対策後のコムニボリのアグロフォレストリー活動

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ソロモン諸島商工会議所との合同セミナーで特用林産物を紹介

2021年5月:第7回FS-TWG会議を開催;SFRMプロモーションビデオが完成

1年4カ月ぶりにForest Sector-Technical Working Group(FS-TWG)会議を開催し、森林分野のドナーやステークホルダーが活動状況を情報共有しました。プロジェクトスタッフとTSCメンバーはパイロットサイトで森林管理活動、アグロフォレストリー活動、プロモーションビデオの撮影を行い、Sustainable Forest Resource Management(SFRM)のプロモーションビデオが完成しました。SI-SFRMプロモーションビデオのご視聴は以下のユーチューブでどうぞ。

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第7回FS-TWG会議の報道ぶり

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SFRMプロモーションビデオ撮影現場

2021年6月:パイロットサイトで活動が一層活発化

長期専門家、TSCメンバー、プロジェクトスタッフがパイロットサイトで製材指導、除伐(目的外樹種の除去)指導、苗畑設計指導、アグロフォレストリー活動の促進、養豚活動の豚舎建設作業を推進しました。両パイロットサイトともコミュニティメンバーがそれぞれに決められたパイロット活動を実施し、より一層活発に活動が進められました。

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移動式簡易製材機を用いて製材作業中

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苗畑造成作業中:手前が捲きつけ床、後方が植え替え床

2021年7月:パイロットサイトで家具製造、森林管理、アグロフォレストリー研修を実施

長期専門家、TSCメンバー、プロジェクトスタッフがコムニボリパイロットサイトで家具製造・森林管理・アグロフォレストリー研修、養豚活動のフォローアップを実施すると共に、ファラケパイロットサイトでも同様に家具製造・森林管理・アグロフォレストリー研修、養豚活動のフォローアップが実施されました。(注2)
(注2)7月時点では長期専門家の移動はガダルカナル島内のみ可能だったため、ファラケパイロットサイトではTSCメンバーとプロジェクトスタッフが指導を行った。

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家具製造研修でクランプを使った木材接着を指導

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アグロフォレストリープロットの除草作業

2021年8月:交換研修の実施;第8回FS-TWG会議を開催

コムニボリコミュニティメンバーがファラケパイロットサイトを訪問視察し、ファラケコミュニティメンバーがコムニボリパイロットサイトを訪問視察する交換研修が実施され、コミュニティ相互でパイロット活動に関する気づきを共有すると共に、コミュニティ間の協働意識が醸成されました。第8回FS-TWGを開催し、ドナーやステークホルダーが活動状況を情報共有しました。また新しいプロジェクト車両が森林研究省に納車され、マライタ州アウキ森林管理事務所に配置されました。

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交換研修でコムニボリコミュニティから、歓迎を受けて迎えられるファラケ住民

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第8回FS-TWG会議の報道ぶり

2021年9月:第8回JCCを開催;生計向上策の養豚活動をバックアップ

第8回JCCを開催し、JCCメンバーがプロジェクト活動の進捗状況等を確認しました。パイロット活動で少し活動に遅れが生じていた生計向上策の養豚活動を、プロジェクトスタッフと農業畜産省職員が積極的にバックアップし、進捗の遅れを感じさせないほど活動が進みました。

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第8回JCCの報道ぶり

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子豚の体長を計測するファラケコミュニティチーフ

2021年10月:追加パイロットサイトを調査;コムニボリで剪定研修;森林情報ツール利活用研修

長期専門家が約1年半ぶりにマライタ州のファラケコミュニティのパイロット活動を視察し、マライタ州内から手があがった5か所のパイロットサイト候補コミュニティを視察・調査しました。コムニボリのアグロフォレストリープロットにはグアバが植栽されており、四方に長く枝を伸ばすため、農業畜産省職員とプロジェクトスタッフが剪定および接木の研修を実施しました。また森林情報ツールの利活用向上に係る研修を短期専門家チームが日本から遠隔で実施し、森林情報ツールの有用性をアピールしました。

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ファラケパイロットサイトの森林管理用皆伐プロットでの指導風景

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マングローブ林を抜けて追加パイロットサイト候補コミュニティに到着

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コムニボリパイロットサイトで実施した剪定研修

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森林情報ツールの利活用向上に係る研修

2021年11月:森林研究省展示室完成;生計向上専門家帰任;森林研究省幹部職員パイロット視察

プロジェクトが支援していた森林研究省内の展示室が完成し、両パイロットサイトで作製した家具を展示しました。生計向上短期専門家が約1年半ぶりにソロモン諸島へ帰任し、特に養豚の経営計画の見直し及び策定に関して両パイロットサイトにて精力的に指導しました。森林研究省幹部がコムニボリパイロットサイトで、これまでのパイロット活動の経緯を視察しました。幹部からは多くの質問があり、パイロットサイトにおける活動やプロジェクトへの理解を更に深めました。

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森林研究省展示室完成の報道ぶり

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コムニボリパイロットサイトで活動する生計向上専門家

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森林研究省幹部のコムニボリパイロット活動視察

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森林研究省幹部のコムニボリ視察に関する新聞報道

2021年12月:短期専門家による組織能力強化活動のレビュー;TSCでの議論が取りまとめられる

短期専門家が両パイロットサイトで組織能力強化のレビューを通じた、より良いコミュニティ運営を指導しました。同コミュニティでは農業畜産省職員とプロジェクトスタッフにより養豚活動が本格化しておりタイミング的にも最適でした。12月に開催されたTSCミーティングでは、これまでに毎月TSCミーティングを開催し、議論してきたコーポレートプラン2020-2022に基づくモニタリングとLong-Term SFRM Policyのフレームワークが総括され、それぞれレポートにまとめられました。また新規パイロットサイトでバウンダリー調査とコミュニティプロファイル作りが開始されました。

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短期専門家による組織能力強化に係るレビュー会議

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本格化したコムニボリコミュニティの養豚活動

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新パイロットサイトのバウンダリー調査に基づいたエリアマップ

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TSCミーティングの様子

2022年1月:追加パイロットサイトへ簡易製材機を貸与;SolGeo-FIMSの搭載データを整理

追加パイロットサイトに簡易製材機とチェーンソーを貸与しました。これらのパイロットサイトでも今年から森林管理活動が実施され、その活動の一環でこれら製材機とチェーンソーが活用される予定です。一方、土地被覆図、森林資源量、及び林道に関するデータをSolGeo-FIMSに搭載し、それら有用なデータを整理しました。

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森林研究省から簡易製材機を運びだし、追加パイロットサイトへ移送

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移送先である追加パイロットサイト(黄色がMbuma、赤がWairokai)

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道路および林道データの地図

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森林資源量の例:コムニボリパイロットサイトの材積データ

2022年2月:COVID-19の影響によりプロジェクト活動が停滞;第9回FS-TWGとJCCを開催

ソロモン諸島の首都ホニアラ市でCOVID-19の市中感染が確認され、ロックダウンの措置が取られました。その後も感染が拡大し、医療機関が逼迫してしまったため、プロジェクトスタッフは在宅勤務・シフト勤務の措置をとりました。森林研究省も同様に出勤人数を減らしました。市中感染後は、ホニアラ市内から出ることができず、パイロットサイトとは電話で連絡を取っています。第9回オンラインFS-TWGを開催し、ドナーやステークホルダーと活動内容を共有しました。また同日に第9回オンラインJCCを開催し、プロジェクト活動の進捗状況や今後の活動計画の確認、プロジェクトデザインマトリックスの修正について議論しました。

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プロジェクト事務所からもオンラインTWGとJCCに参加