トレーニングヤードが完成、研修を開始しました

2020年4月27日

本プロジェクトでは、スリランカ国家上下水道公社(NWSDB)の漏水対策に係る能力向上を目指しておりますが、パイロットサイトで行っているOJTの他に、NWSDBが実施する実技研修を充実させ職員の技能を向上させる活動があります。トレーニングヤードはこの実技研修をいつでも提供できるようにするため、2019年から建設を開始しました。2019年4月に発生したテロや例年にない悪天候が続いたことの影響を受け、工事期間は予定より長引きましたが、2020年1月に無事完成し、早速ヤードを使用した講師養成研修(Training of Trainer:TOT)を実施しています。1月23日にはNWSDBの理事長をはじめ、日本側ゲストも含め多数参加いただき竣工式を行いました。その後、人材育成についてのセミナーを開催、名古屋市上下水道局の清水参事には基調講演をしていただきました。

2月には、講師候補を代表する8名が本邦研修に参加しました。名古屋市上下水道局技術教育センターでは長い実績に基づき、常に研修ニーズと研修効果を考えたプログラム作りが行われており、研修員の皆さんは大きく刺激を受けた様子で、早速帰国後取り入れたいと、いろいろなことを考えていたようです。

丁度新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大がニュースに出始めたころで、とりあえず恙なく研修を終えて無事帰国して貰えて良かったと思います。残念ながら、その後世界的に人の移動が制限され、日本でも非常事態宣言が出される事態となりました。スリランカはかなり厳しい外出制限令を出して対処しており、これからどのように解除されていくのかまだ見えていない状況です。せっかく盛り上がった機運に水を差された感じですが、引き続き遠隔支援の継続なども行いつつ、ここまでの実績をさらに大きく広げられるようC/Pと取り組んでいきたいと考えております。

トレーニングヤードの概要

トレーニングヤードは主に3つの部分から成ります(管接続研修部分、漏水探知技術研修部分、および流量等計測研修部分)。以下に写真を示します。

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管接続研修ヤード

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流量等計測研修ヤード

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漏水探知技術研修ヤード

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ポンプ室と水タンク

竣工式・セミナー

竣工式は、伝統的なダンサーが施設入り口で来客を迎えるというスリランカ独特のもので、日本からのゲストの皆さんは興味を持たれたのではないでしょうか。そしておなじみのオイルセレモニー。風が強くなかなか点火できませんでしたが、これもスリランカの式典では欠かせません。理事長からのあいさつ、テープカット、国旗掲揚、お坊さんの読経(日本だと神主さんの安全祈願ですね)、そして施設案内などで式典部分は終了。以下に写真をいくつかお見せします。
その後ホテルに場所を移して、セミナーを開催しました。

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ウエルカム

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オイルセレモニー

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安全祈願

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施設説明

実技研修

C/Pが建設したトレーニングヤードで実技研修を実施できるようTOTを日本人専門家によって実施しました。ヤードが完成するまでの間に作成した研修ガイドライン案に基づいて研修を実施し、今後C/Pが自ら研修を実施する際に使いやすいように、現場で気づいた点や改善すべき点などを盛り込んで改訂作業を続けています。第2期活動では、C/Pが講師として独り立ちするよう、専門家がサポートを続けます。NWSDBの人材育成部は、実技研修実施に向けての受講対象者の検討や計画案策定のための素案の検討を始めており、専門家とともに、プロジェクト終了後にはヤードを使った実技研修が通常の研修プログラムの一環となって定着することを目的として活動を進めています。

作成:チーフ アドバイザー 亀海泰子

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TOT実施中1

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TOT実施中2