プロジェクト対象地域でベースライン調査を実施

2018年2月15日

2017年10月から2018年1月にかけて、ハトロン州のプロジェクト対象6県・市中央病院(ボフタール、サルバンド、ノラック、バルジュボン、ムミノバード、ホバリング)とそれらの県内の一次医療施設の一部、州病院を対象にベースライン調査を実施しました。2月には追加調査を実施しました。

調査の主な目的は、現在(プロジェクト活動開始前)の母子保健サービスの現状と課題を把握し、具体的な活動計画の作成に活用することです。加えて、プロジェクト進捗を確認するために、活動開始前の指標値を設定する目的もありました。これらの指標値は、将来的にタジキスタン側のプロジェクト関係者も一緒に活動の進捗が確認できるよう、保健情報システムの中で収集できるデータや情報を選定しました。

調査はプロジェクト目標を達成するための4つの成果に関連して、次のように実施されました。

1)最低限整備すべき医療機材と、改修すべき医療施設を選定するための、医療機材と小規模施設改修に関する調査。
2)対象県・市中央病院の分娩数や帝王切開数などの母子保健関連の統計データと、産科・小児科の医療スタッフの血圧測定数、新生児蘇生実施数などのスキルに関するデータ。
3)二次医療施設の県・市中央病院と一次医療施設の間での妊産婦、新生児死亡・重症症例に関する情報共有方法の聞き取り。
4)各行政レベルでのスーパービジョン体制の現状把握。

調査の中では、対象県・市中央病院において、1)母子保健ケアに必要な機材が整備されていない病院が多いこと、施設も老朽化していること、2)産科・小児科の医療スタッフの分娩と新生児ケアに対するスキルが低いこと、3)一時医療施設との妊産婦と新生児の情報共有がないこと、4)スーパービジョンに関しては現在新たに取り組みが始まっていることなどが明らかとなりました。

今後、調査結果をとりまとめて、母子保健ケアに必要な機材整備の選定や、緊急産科ケア、新生児蘇生や超音波診断等を含む産科・新生児ケアに関する研修内容の検討を進めていく予定です。

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2018年1月19日 ムミノバード県病院にてベースライン調査(病院統計情報収集)

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2017年12月25日 バルジュボン県病院にてベースライン調査(患者データをパソコンに入力)

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2018年2月10日 サルバンド市病院にてベースライン追加調査(施設排水状況)