プロジェクト開始から2年間の成果発表会を、第4回JCCと兼ねて開催

2019年7月5日

2019年7月5日、プロジェクト開始から約2年間が経過し、折り返しの時期になりましたので、第4回合同調整委員会(JCC:Joint Coordination Committee)を兼ねて、プロジェクト成果発表会を行いました。

タジキスタン側から保健社会保護省第一副大臣・大臣アドバイザー・母子保健局長、対象6郡・市中央病院長、日本側からはJICAタジキスタン事務所、日本大使館、プロジェクト専門家、開発パートナーとして同様の分野で活動しているUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)とGIZ(ドイツ国際協力公社)のプロジェクト代表者が出席し、ドゥシャンベのセレナホテルで開催しました。プロジェクト専門家とカウンターパートが共同で、過去2年間の活動進捗を発表し、関係者間で共有しました。

主な成果としては、昨年プロジェクトで調達した、保育器、インファントウォーマー、光線治療器、酸素濃縮器、パルスオキシメーター、胎児心音計、血圧計などの新生児および妊産婦のケアに必要な基礎的機材が適切に使用され、またそれら機材を使用して緊急産科・新生児蘇生の研修を実施し、その結果として郡・市中央病院の能力が向上し、上位の病院へ緊急患者を搬送するケースが減少していること、また、死産も減少していることが挙げられました。

緊急搬送の数は、対象6病院で、最初の半年に79件あった妊婦搬送のケースが後半の半年では47件に減少していること、新生児搬送のケースでは、最初の半年で19件あったケースが後半の半年では3件まで減少していることが大きな成果と言えます。また、対象6病院で取り扱った分娩のうち、最初の半年で2,868分娩中34件発生した死産が、後半の半年では3,266分娩中23件に減少しました。

この結果は、プロジェクトで調達した機材が有効に使われていることを表していますが、そのために、プロジェクトでは、緊急産科新生児ケア研修や機材維持管理研修、超音波診断研修等の研修を実施したり、スーパーバイザーを各病院に派遣してスーパービジョンを実施したりして、病院スタッフのニーズを聞き取りながら、技術が向上するようきめ細かくサポートしてきました。機材調達・研修・スーパービジョンが効果的に働いて、2年間で一定の成果を上げることができたと考えています。

今後、さらに活動を進めながら、新生児の死亡率の低下、対象地域内の対象病院での分娩率の増加等にも成果を広めていきたいと思います。

【画像】

プロジェクト成果発表会および第4回合同調整委員会(JCC)開催の様子