No.12:経験共有ワークショップを開催しました

2017年1月5日

本プロジェクトの対象村では、郡ファシリテータ(注1)(Ward Facilitators: WFs)がファシリテーション(注2)を継続的に実施し、住民たちが主体的かつ活発に開発活動を進めています。近隣の村でも、対象村の住民たちの変化を目の当たりにし、「自分たちでできることを始めよう」と、正の変化が生まれています。パイロット村の外の住民たちが、グッドプラクティスからの学習(Horizontal learning)を通じて、様々な気づきや学びを得ることが可能なことが確認されています。
O&ODチームでは、グッドプラクティスからの学習効果の活用に着目し、対象村の経験を県内の全ての村に共有することで、更なるファシリテーションの促進とコミュニティ・イニシアティブ(注3)(Community Initiatives: CIs)の活性化を図ることができると考えています。
そこで、2016年8月から9月にかけて、対象6県(注4)の経験共有ワークショップの開催を支援しました。経験共有ワークショップには、各郡から郡行政官及び郡普及員が参加し、自治体タスクフォース(注5)(District Taskforce: DTF)とWFsが、対象村でのファシリテーションの経験とCIsの経験を共有しました。
WFsが自らの経験に基づき、自らの言葉で、ファシリテーション及びCIsを支援・促進することの重要性を説明しました。郡行政官と郡普及員は、自分たちの仲間の活躍を聞き、住民に対するファシリテーションへの関心を深めました。今後各郡でファシリテーションが促進されることが期待されています。しかし、県から郡への支援・モニタリングなしでは、一定の効果が期待されないため、DTFによる郡の活動のモニタリングが必要となってきます。O&ODチームは、DTFの活動のモニタリングを行い、一定の効果が得られるよう監督・指導していきます。

(注1)地方自治体によって選抜され、改良O&ODのファシリテータ研修を受けた郡レベルの普及員(自治体職員)。ファシリテーションを現場で継続的に実施する役割を持ちます。
(注2)改良O&ODの文脈における「ファシリテーション」とは、コミュニティ・イニシアティブを促進・再生産することを目的に、経験蓄積を通じた学習によってコミュニティの問題解決・自己組織能力の強化を支援することを意味します。具体的には、コミュニティ開発プロセス全体において(計画策定のみならず、計画の実施及びモニタリング・評価を含める)、コミュニティを支援し、彼らの意識変革、組織強化を目指していきます。
ファシリテーションは、既存のコミュニティ・イニシアティブを特定・奨励するだけでなく、コミュニティ・イニシアティブの促進・創出・再生産に向けて取り組みを強化する地方自治体(強化アプローチ対象自治体)にとって鍵となります。
(注3)住民が自発的且つ主体的に意思決定と実施プロセスに参加をしている開発活動を指します。
(注4)バガモヨ、チャリンゼ、キサラウェ、モロゴロ、キロンベロ、ウランガ
(注5)選抜された県庁職員によって構成されるチーム。改良O&OD強化アプローチにおいて対象自治体内の中心的役割を担います。

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チャリンゼ県庁でO&ODチームとともにプレゼンテーションの準備に励むDTFの様子

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モロゴロ県庁の経験共有ワークショップでDTFが説明する様子